ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【返信200突破!感謝感激雨あられでもいいわ!】 ( No.223 )
- 日時: 2011/05/14 21:46
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: さあて。このまま平和が続くといいんですがね?
「悪事------------ねぇ。」
悪事といわれても彼らにとってこれが悪事だとは思えなかった。自分たちはリシリアチオの優しさによって収拾された手下達。だが、リシリアチオはもういない。これ以上従う必要は無かった。
「私たちはこれが悪事だとは思わない。あんたらには悪いことに見えちゃうかもしれないけど------------世界を救うためだしね。うん、でもリシリアは死んじゃったわ。遺跡で。運命の呪縛に囚われちゃって、もう動けそうに無いの。リシリアも疲れちゃったことだし、あたしはもうその計画には辞退するわ。」
「ふ〜ん。じゃ、俺も。」
アヴァルッセは適当に決めた。漆黒の使者の目的が聞けて何となくスッキリした気分だった。それに、正直ユインたちも疲れただろう。世界を救うはずが、世界の敵になってしまったらたまったもんじゃない。軽蔑した目で見られるよりかまだまだましだった。
「さあって。あたしらをどうするよ。もう一回聞くけどさ、殺しちゃう訳?」
「いや。殺す必要はない。もう、聞くことは無い。何処かへ行くなりなんなりするんだな。」
「------------こっからどう何処かへ行くか分かんないけど。ま、ちょっとの間休ませてもらうわ〜。」
ユインは飛空挺の休憩室へ入っていった。アヴァルッセは近くにあるボロ雑誌をペラペラと捲る。一瞬、沈黙に包まれたがスプリングが沈黙を破る質問を繰り出した。
「君ら、名前なんていうの?名乗ってないよね、まだ。」
「そうだったな。」
青年は、体につく泥を綺麗に落として口を開ける。
「まずは、あそこにいる、黄緑色のあいつがヴォジャノーイ。黒いのがピピステーロ。そして俺が、フォーコだ。」
「はっ?」
「へっ?」
自分たちが知っている魔物たちはちゃんと人間離れしている---------はずだった。まさか、さっき話していた「薬」とは-----------
「そうだ。俺たちを魔物から一時的に人間へ変わらせるクーストさんの傑作薬だ。」
「でぇぇぇぇぇぇ!?」
「パーチェ、もっとお姫様らしく驚いてよ……。」
「あたし、ヴォジャノーイ知らないなぁ。」
アリスは手をあごにあて、記憶を辿る。そして一番驚いたのはパーチェだった。探していたペットが見つかった。全く容姿は違うが、ピピステーロに突進していき、抱きつく。
「もうっ!探していたんですよ!!心配かけさせてっ!!」
「やめろよ!俺の体が体だけに、そういう体制はきついんだって!!おい、離れろって言ってるだろ?!聞いてるか、おい!おおぉぉい!!」
スプリングは苦笑いしながら、その模様を見ている。その後、またフォーこの方を見直して、もう一個聞くことに。
「ねぇ、今---------私たちが行こうとしてるところって?」
「あぁ。---------------運命が変わる場所。『銀河に近い街』だ。」