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Re: 僕らの彗星 【返信200突破!感謝感激雨あられでもいいわ!】 ( No.226 )
日時: 2011/05/19 19:34
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: n/BgqmGu)
参照: ペンタブやっと購入しましたよーっ!!

重力が背中を引っ張る。前から風が吹いているような感じで、必死に棒に掴まる。この状態を踏ん張るのはとても難しい。「早く出来ないのか!?」とランドに向かって怒鳴るフォーコ。

「あぁ、できるっちゃあ出来る。次はたった5分で着いちまう優れものの中の優れものだ。だが-----------お前ら、踏ん張れるのか?窓から飛び出していっても知らないぞ。」
「---------------よし!準備は出来ている!!」

さっき以上に棒を握り締め、足をどんと重くする。ランドは「よし」と言って赤いボタンを押し、レバーを引いた。すると、さっき以上に重力がのしかかってきた!手汗が出始め、ツルツル滑る。窓を見ると、一瞬にして雲が消えていく。それだけ猛スピードで進んでいるようだ。

「大丈夫か!?」
「は、はい!なんとか!」

女性陣たちも何とか踏ん張っていた。子供のほうも、荷物に掴まっている。ヴォジャノーイは吸盤のマフラーで壁にくっついている。ピピステーロはパーチェの手に掴まっていた。

「見えたぞ、コメッタだ!!」

天へ上っていくような高いタワーが顔を出す。赤いボタンを再び押し、普通の速度に落とし、地へと着いた。一同、大きなため息をつき、座り込んだ。

「ほら。行くぞ。」

ランドが扉を開け、外を指差す。そこは意外な情景だった。嵐のような強風が轟き、雷鳴が吠え、妙な雰囲気を漂わせていた。「ここか」皆、恐る恐るコメッタの地面へつく。

「人がいないね。」

アダムスは怖いというより凄いというような表情を浮かべ、スキップしている。全く子供はのん気なものだと呆れるランド。

「クロノさんたちを保護しなくてはいけませんね。それからですよ、サンクチュアリは。」
「そうだね。こっからが本番さ。」

アリスは拳を握り締め、微笑む。すると、人影が見えた。結構多い人数で、「あれじゃないか」と目を細める。とにかく行こうと足早にそこへ向かった。



やはり、クロノたちだった。だが、フォーコたちの目に映ったのは、自ら魔女パッサートへと向かうクロノだった。

「ちょっと何してるの!!」

アリスはクロノに向けて怒鳴った。だが、聞く耳を持たずそのまま魔女へと向かっていくのだ。自分たちの存在に気づいたジャスティスたちは「お前たち!」と言って駆け寄ってきた。

「あの子なにやってるのよ!!パッサートにマトモに襲い掛かってんじゃないわよ!!」

ユインもクロノに怒鳴った。それでも聞いてくれなかった。すると横にいたフォーコが走り出す。向かう先は---------クロノの元だった。

「主よ!!先に逝こうなど、俺が許さん!!」

クロノの肩を掴み、地面へと押し付けた。周りの人たちは「あいつは誰だ」というような顔をしている。もちろんクロノもこんなやつ見覚えないぞというような顔をしていた。

「主よ。俺だ。フォーコだ。」
「何ッ?お前が?」
「あぁ。とにかく、主たちを保護しに来たのだ。まずは、飛空挺に入れ!それから理由を話そう。」
「待て----------」

ひんやりとした空気がスッと横切った。恐る恐る後を見ると、イツラコリウキがいたのだ。「何だと!?」と偽者のクロノが愕然とする。

「試合放棄----------かい?それはさせないぞ。この世の崩壊を導くためには----------君たちの力が必要だ。まあ、全員じゃなくても5人で十分なんだがね。」

パッサートは鼻で笑う。

「貴様-----------わしの邪魔をする気か!させぬぞ!」
「甘いな!永遠に凍るがいいさ!!」

イツラコリウキが手を前に突き出すと、一瞬にしてパッサートの体が凍ってしまったのだ。この状況に追いつけない一同は目をパチクリさせる。

「一体誰だと思ってるんだ-----------。貴様ら、魔女を復活させたのは私のおかげだというのに---------。」