ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 僕らの彗星 ( No.3 )
日時: 2011/03/13 20:23
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

「その服、貸してもらうぜ。」

兵士を襲って、鎧を盗る一人の盗賊。キャスキャットを被る紫の髪の毛の盗賊は鎧をきつそうに着ている。サイズに合わないようで、小さい。

「もういいか〜、ロイズ。」

「ま、待って・・・もうちょっとだから。」

帽子を被って、準備万端。ロイズと呼ばれた盗賊は階段を駆け上がって、木の扉を開けた。そこに、白髪の青年。周りには爆睡する兵士。

「おい、コレ起きたらあれじゃないのか・・・?」

「大丈夫や!起きひん。」

「ふぅーん・・・。ちょっと信じがたいですが。」

ロイズは近くにあった椅子に座る。

「んでー、ノーテ。どこ行くんだった?」

「えっと・・・・・・・・・・あかん。忘れてもうた・・・。」


「なにいいいいいいいいいッ!!?」















一方、少年サイド。屋根を駆け、城へと走る。ついに、門へと着いた。門にはいろんな人たちが行き来する。奥には人だかりが出来ている。と、いうことはもう直ぐで始まる。

「そら急げ、トゥルス!!始まるぞ!!」

「え、うん!」

人ごみをかきわけ、先頭へとたどり着く。城のベランダには、王女の母、グリド女王が拍手をしながら観客を見ている。

プッププップー!

ラッパの音が鳴り、門から新王女が入ってくる。純白のドレスに身を包み警備員に囲まれ歩いてくる。ベランダから見ている女王は興奮するあまりか扇子を振り回している。

観客から、拍手と歓迎の言葉が降り注ぐ。だが、王女の顔は暗い。妙に思った少年たちは顔を見合わせて、王女に大声で言った。

「おめでとう!王女様!!だから、元気出せよ!」

「笑って!」

でも、顔は暗いままで表情一つ変えず玉座に座った。セリスははぁとため息をつき頭をポリポリ掻いた。

「なんかあったのか・・・?」

「さあ。でも。そっとしといてあげよう。」

「うん・・・。」

しばらくその様子を見ていた少年達。すると、門から兵士が入ってくる。

「と、盗賊です!!」

「・・・なにぃ?」

大臣が兵士を睨みつける。

「直ちに警備を固めろ!!怪しい奴を見かけたら直ぐにでも殺せ!」

「はっ!!」

少年二人は顔を見合わせ、すこし心配になった。もしかすれば自分たちを人質にして怖いことをさせられるかもしれないと思ったのだ。

「・・・さきに逃げとこう。」

「そ、そうだね。」

足早にその場を立ち去ろうとした、その時!地がゆれ、城が崩れていく。人々は驚きのあまり腰を抜かして逃げ遅れてしまう。少年たちは全速力で岩を避け、外へ出る。

「あ、危なかった・・・。し、しかし・・・いきなりなんだ?!地震か?」

「・・・い、いや・・・地震じゃないでしょ・・・。」

怯えた目をしたトゥルスの瞳に映る、恐ろしい物体。セリスは恐る恐る見る。

邪悪な魔力を漂わせる、女が立っている。セリスはそれをみて一気に、血の気が引いた。








「ま、魔女・・・・・・・・!?」