ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 ( No.4 )
- 日時: 2011/02/20 21:30
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
セリスは足が震えて動くことすら出来ない。魔女はだんだんこちらへ近づいてくる。恐怖の足音がだんだん大きくなっていく。
「に、逃げよう!!早く!セリスったら!!」
「む、無理だ・・・足が動かないんだよ・・・!」
「えぇ・・・?!」
トゥルスは、近づいてくる魔女に向かって手を広げた。手に炎が集まり、大きくなっていく。
「火炎玉(ファイヤー)!!」
火の玉は魔女目掛けて飛んでいく。が、魔女に当たらず消えてしまう。トゥルスは冷や汗を流しセリスを引っ張った。
「早く!!こっち!!」
角を曲がり、さらに曲がって、広場へと出た。周りには沢山人が集まっている。何をしていいのかわからず、立ち尽くしているのだ。
「この国から出よう・・・!このままじゃ、死んじゃう!」
「分かった・・・!」
二人は出口へと走って行く。だが、そうはさせまいと魔女が金縛りをかけた。広場の人たちも金縛りをかけられている。ここにいるものを抹殺しようとしている・・・!
「くっそォォォォォ!!!」
セリスは、唇を噛み締め、体を震わす。魔女は手にエネルギーを溜めている。魔女の口は・・・歪んでいる。
そして、エネルギーは飛び散りいろんなところで爆発する。悲鳴が聞こえるがやがて聞こえなくなってしまった。じきにこっちにも来る・・・
桃色のエネルギー体が自分たちを目掛けて飛んでくる。さっきの魔法とは比べ物にならない魔力を秘めている。
ドーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!
ステイシャインズが一気にチリと化す。少年たちは終わったと思った。思ったが何故か死んだ気にならない。目を恐る恐る開けてみると・・・
「こーんにちわ!」
「うわあ!!だ、誰だアンタ!!」
セリスはビックリして近くの柱に頭を打つ。白髪の少年は、万遍な笑みを浮かべて二人の頭を撫でる。
「よう頑張ったな。大丈夫やで。」
笑みを浮かべたあと、真面目な顔をして部屋へと入っていく。セリスはほっとため息をついた。
「助かったな・・・、トゥルス。俺たち・・・ついてる。」
「そ、そうだね・・・巻き込まれちゃった人たちには申し訳ないけど・・・。」
ふと、船の下を見ると・・・大きな大地が見える。雲ももの凄く近くに見える。トゥルスは、まさかと思った。
「・・・ここは、空?!」
「そーだ、チビども。飛空挺スカイパイレーツだ。そんで、この盗賊のお頭、ウェース・ウルミットだ。」
親分のウェースは空を見つめる。トゥルスも空を見つめる。
「おお?お前も空が好きか?」
「はい。大好きです。とっても大きくて・・・僕も空みたいになりたいなって・・・。」
「ほうほう!なかなかいい志だ!」
二人で会話する矢先、セリスはウロウロしていた。寒い風が吹いたのでふと目を逸らした先に・・・
「ぬあああああああ!!ま、魔女?!どどどど・・・どうして!?」
「んあ!?魔女だと?!しつけぇ!!」
ウェースは魔女を睨みつけ、操縦席へと入る。ウェースは大声を張り上げて命令を言った。
「魔女だ!!全速力で逃げるぞ!!子供だけはなんとしてでも守れ!!」
子分たちは頷き、舵に手を置いた。そして大きく舵を振った。だが、魔女はついてくる。見つけた相手は必ず仕留めるようだ。
「くっそ・・・!早い・・・!」
操縦する子分の手が震える。ウェースはそれを見て、大声で叫んだ。
「子供にみっともない姿見せんじゃねぇぞ!!!」
「・・・イエッサー。」
部下の顔には少し笑み。手には震えなし。全速力でとにかく遠く逃げた。もうここまで来ないだろうと油断した・・・その時!
船の目の前に、魔女が瞬間移動して来、手には大きなエネルギー体!船にいる皆の目が恐怖の目へと変わる。
魔女の手からエネルギー体が放出された。