ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【オリキャラ募集中】 ( No.53 )
- 日時: 2011/03/13 20:22
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: ファジーでも小説作ってみようかな?
パーチェ・ステイシャインズ57世・・・。この物語が始まった時にトゥルースとセリスが話しかけた女性だ。彼女は新しい女王になるはずだった。なのだが暗い顔をし、何か悩んでいるように下を俯いていた。
「・・・で、その・・・お姫様・・・。どうしてあの時暗い顔だったの?」
「パーチェでいいよ。・・・うん・・・色々あってね。」
「話して見てよ。」
時はこの物語が始まるまで遡る。彼女は新女王就任式に出る前、悩んでいた。自分には女王は似合わない。むしろやりたくない。そう思った。この就任式が終わったと同時にどこか遠くへ逃げて行方不明になろうと思ったのだ。
それに、母グリドの世界統一の計。グリドはいつの間にか世界を欲求するようになった。世界を自分のものにしたいと日頃呟いていた。世界を手のひらで弄ぶ女王が何故自分の近くに居るのか・・・そう思った。
自分が女王になったとしても、その世界統一の計に協力することになったら自分はこの世界の終わりを見るような気分なのだ。世界はこのままでいい。このまま回り続けるだけでいい・・・と。
「世界・・・統一の計・・・?」
「えぇ。母はいつの間にか・・・欲望の塊みたいになってしまったのよ。どうして・・・?私が小さい頃は・・・弱い人を助ける優しい人だったのに・・・。」
この悪い空気を掃おうと、とっさにスプリングはその黒い猫を見て、
「ねぇ、パーチェさん!その猫ってなんですか?」
「えっ?あぁ、この子?」
パーチェが喋ろうとしたら、黒い猫が「僕が言う」と口を開き人の言葉を喋ったのだ。一同、騒然。
「なんだ?僕が喋っちゃそんなことになっちゃうのか?」
「え、いや・・・だってさ・・・猫が喋るってさらさらないよ・・・。」
「街中に人型の動物とかいるじゃないか。それは吃驚しないんだ?」
「・・・それも少々吃驚しますけど・・・。それで、そろそろ名乗りましょうか。」
スプリングは苦笑いして、その猫に言った。パーチェに抱かれる猫はコクリと頷いて名乗る。
「蝙蝠猫(キメラ)のピピステーロ。まあ、よろしくしてよ。」
黄色く大きな目を一同に光らせた。パーチェはあははと苦笑いしながら「それより彼方たちはどうかされたんですか?」と聞く。
「あぁ・・・いや、実はな・・・俺ら魔女倒すねんか。」
驚く回答にパーチェはお姫様らしくない顔で呆然とする。ピピステーロも「はぁ?」というような顔。
「うんそんで・・・手がかりとか集めに、機械の大陸のストーリアに行くんよ。」
「ストーリア?ってことは、魔女学者のストディオソ先生に会いに行くんですか?」
「そ、そうなんかな?うん、オクプタートのマニフィコに聞いたんでそういう学者おるゆうてな・・・。」
「でも、遠くて困ってるんですよ。」
スプリングがそう言うと、パーチェはノーテたちに寄って、
「私が案内しますよ。その前に、叔父様の研究室に行かなくては機械の大陸には行けません。」
「え?どうして?」
「機械の大陸行きの船や電車、飛空挺は全てなくなったんです。今、機械の大陸に行く移動手段は叔父様の研究室しかないんですよ。」
「そうなんですか。それじゃ、案内よろしくお願いしまーす。」
「では、こちらです。」
パーチェが行くほうに、クロノたちもついていった。