ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 僕らの彗星 ( No.7 )
日時: 2011/02/25 22:14
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

目を開ければ、大空が広がる。雲が早々と走り、まるで一緒に走っているみたいだ。目を開けた小さな男の子は、ここは天国かと思った。一応、念のため頬をつねったりしてみた。が、これは現実のようだ。

「死んだんじゃないのか・・・よかった。」

ホッとため息をついて、辺りを見回した。ちょっとした森に落ちてしまったようで自分以外誰もいないような・・・。そう思うと少し心配になってきた。

「と、とにかくこっから出ないと・・・。」

男の子は立ち上がり、ずんずんと道なき道を歩いていく。出口はここだと自己暗示し、怯えながら進む。




ガサガサッ




茂みが揺れる。その音がするほうへ首を向けた男の子は後ずさりをしながら後へと逃げようとした。

が、逃げるより出てくるほうが早かった。茂みから出てきた魔物は男の子を追い掛け回す。

「わああああっ!!オ、オルトロスッ!?」

必死で逃げる男の子をうまそうな顔で追いかける、狼の魔物オルトロス。その速さは絶大で直ぐに男の子においつく。そして黄ばんだ牙で服を噛んだ。

「ひいいいっ!!やっ、やめろっ!」

じたばたさせるが牙がちくちく肌に刺さりそうだ。あまり動くと牙が入ってしまう。ここまでかと思ったその時・・・!

普通の鳥じゃない鳥がオルトロス目掛けてもの凄いスピードで飛んでくる。オルトロスの目玉に嘴が刺さり、悲鳴を上げて森の奥へと走り去っていった。

男の子はその鳥を見て、はっとする。

「・・・フェ、フェニックス?!」

「まあ、そんな感じだ・・・。」

茂みの奥から男の声がした。男の子は振り返る。すると赤髪をし、ヘッドバンドをする怖そうな男が出てきた。

「お、お兄さんは・・・誰?」

「むっ・・・!ついさっきまで一緒に居たじゃないか。かくまってやったのは誰だと思ってるんだ?」

「えっと・・・あ、スカイパイレーツの・・・?」

「あぁ。したっぱだけどな。とにかく、こっから出たほうがいいぞ。ここの魔物は気性が荒いからな。こっちだ。」

赤髪の男に誘われ、森へ出ることが出来、男の子は一安心。近くの大木で休むことにした。

「でっ、お前名前なんつーんだ?」

「えっと・・・トゥルース・ウィング。」

「・・・ん?友達はトゥルスって・・・。」

「セリスは誰の名前でも間違えて覚えるんです。」

改めて、トゥルースは頭をポリポリ掻いて呆れたような顔をする。そのあと赤髪の男の顔を見て、

「そういう、貴方の名前は・・・?」

「クロノ。クロノ・ブライト。普通にクロノって呼んでくれ。」

「よ、よろしく。」

トゥルースは手を出し、握手をする。そして、木に止まる鳥を見てクロノは指を指す。

「あいつはフェニックスとガルーダのハーフってところだ。」

「ハーフ?!どっちも神鳥じゃないか・・・!」

クロノはあごに手を当て、トゥルースに聞いた。







「なあ、魔女ってなんだ?」