ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照300突破!感謝の嵐が吹く】 ( No.93 )
- 日時: 2011/03/27 20:43
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: デュオディシム買いたい……
「気絶じゃなくてか?」
「あぁ、寝てる。昏睡ってところだ。」
昏睡とは、痛みなどで外部から刺激させても全く起きないということで、彼女もジャスティスの予想で昏睡状態だとされる。
クロノは試しに頬を叩いてみた。ピクリとも動かず唸りもしなかった。やっぱりかという気持ちを込めて小さくため息をつく。
「待って!!人を殺すことによって解決する事件なんて……ぬぅああああい!!」
ダンッと地を思い切り踏む音。そして明るい声の主。クロノとジャスティスは今の状況をはっきり分かっていない主に冷たい視線を送る。
声の主の少女は「え、えへへ」と苦笑いした後茶色のポニーテールを揺らして二人に近づく。
「いい男が、こんなか弱い女の子を殺すぅ!?おい、そこの!欽八ィ!!」
「金髪だ!!じゃ、じゃなくて……ジャスティス・ホークアイだ!!」
「なんだぁ?殺すって言い出したのはアナタでしょうが!!」
そんな空気が読めない口論が5分ほど続き、クロノは仲裁する理由もなくジッと白城神を見上げている。口論が終わったと同時にクロノはポニーテールの少女を向く。
「なぁ、お前……誰だか知らないが……------------
「あぁ、ハイハイハイ!って、私を知らない人はいないっしょ!!私はアリス・ノーウェル!知ってるでしょ?」
「さぁ、知らないな。」
クロノとジャスティスは声を揃えてそういった。アリスと名乗った少女は「ゲペッ」と頭に怒りマークをつけて咳払いをした。
「まあとにかく、私はその子を助けに来たのよ!」
「うん、そんな理由でここにきたわけじゃなさそうだがな?」
「ふえ!?(普通に通りかかったって言うとあれだしね……)いんや!ちゃんと助けを求める声を聞いてすっ飛んできたの!さあ、出番よ、サクラン!!」
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なぁ、ノーテ。お前は何故、そんなに笑みを絶やさずに居られるんだ?
黒怨の心に響く、その一言。彼はずっとノーテの笑みについてずっとずっと疑問を抱いていた。
この自分を斬っても笑っているし、自分がノーテのことを知らないというふりをしても開き直って笑ったし。彼はどうしてずっと笑っているのか。
それはまだ、話す必要はないであろう。
「黒怨!!お前はそんなに弱かったか!?」
ノーテは迷い無く、黒怨に猛毒の刀を振り回す。彼の体は少しずつと毒が回っていた。痺れや呼吸困難。その症状が出てきていた。避けるのも精一杯でもう一度斬られてしまえば、死ぬであろう。
ノーテが刀を振り上げたその隙に落ちていた、自分の刀をとって受け止めた。その後、手を前に出し唱えた。
「殺術……物真似……」
黒怨の刀はノーテと同じ、毒魔刀(どくまとう)になる。少しノーテの焦りが見えた。刀を相手に回したのだから、身の危険を感じるのも無理も無い。
黒怨はノーテの首を蹴り、腹部を5回殴り、足を蹴ってバランスを崩させた。ノーテは仰向けになる。黒怨は彼の腹を踏み、鋭い目でじっとノーテを見つめた。
そして毒魔刀を振り上げた。