ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照300突破!感謝の嵐が吹く】 ( No.94 )
- 日時: 2011/03/27 21:59
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: デュオディシム買いたい……
黄色と紫が混ざったような色の宝石から、黄色い猫のような神が現れる。そんなに大きいわけでもなく、自分たちより小さくクリンクリンの紫の瞳をアリスに向けている。
「サクラン!早速だけど、この子の夢を見てみて?」
『おっけぃ!じゃ、行ってきます〜!』
サクランはパーチェの頭に向かって消えていった。クロノはパーチェから取ったパールをジッと見つめ握り締めた。心の中で「助かれ」という言葉を何度も何度も繰り返して祈った。
そんなクロノを見かねたアリスは大きくため息をついて、クロノの肩をポンッと叩く。
「大丈夫だよ。ね?安心しなよ。絶対殺させないから。」
そういった後、ジャスティスを少しだけ睨んだ。一瞬睨み返そうと思ったが……。
(やめとこ。)
そのままパーチェの無事を祈り続けた。
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「ごあっ!!」
ノーテの腹に毒魔刀が突き刺さっている。血が服にじわじわと滲んでいく。口からも血を流してプルプル震えている。
「や、や……やるなぁ……黒怨。毒性を……引き上げることも分かってるんやてな……。」
刺されてもやはり彼は笑い続けた。血が噴出そうが友から冷たい視線を送られても。ずっと。
(どうしてだ、ノーテ……。お前は……何故笑っていられるんだ?)
ノーテは残り少ない体力を少し使ってよろめきながらも立った。毒魔刀をゆっくりと構え、黒怨に斬りかかった。だが、走る速度も遅かったため普通に避けられた。そしてノーテはそのまま壁へと激突してずるずると地面に引きずり込まれるように倒れた。
「どうや……?おもろいやろ……?」
黒怨は何も言わず、毒魔刀を持ってノーテに近づく。鋭い目は変わらないままノーテを見下げる。
最後の止めをさそうとした、その時!
「まてえええええ!!そこの……くそったれぇぇぇ!!」
「くそったれぇぇぇぇ!!」
二人の格闘少女が壁を突き破って黒怨にビシッと指を指す。
「ノーテを離しぃぃぃぃぃ!!あたしらの鉄拳食らわしたろかぁ!?」
「食らわしたろかぁ!?」
オウム返しのようにスプリングはロッタの言うことを言い返す。ロッタは空気の読めない状況を掃おうと咳払い。その後ビシッと顔を引きつらせ黒怨を睨みつける。
「いい?いい男が、苛めてどうすんだよ!守るんだろ?!」
「奇麗事はいいです!!黒怨……この者たちを……!」
仮面の男の後ろに立つ影。栗色のセミロングの少女、スプリングはニッコリ笑った後冷たい顔をし
「五月蝿いですよ。」
という言葉を最後に男の記憶は欠けていた。一方ロッタは黒怨にその鉄拳を食らわすべく襲い掛かっていた。黒怨は毒魔刀を振り回し、ロッタに斬りかかる。
「でいやああああぁぁぁぁ!!炎龍蹴(えんりゅうしゅう)!!」
足が燃え上がり、炎龍の形と化す。蹴りは毒魔刀をクリーンヒットさせ術は解け、普通の刀へと戻った。その衝撃は計り知れず、黒怨は壁へと吸い込まれるようにぶつかる。
「女の子、甘く見ないでよ!スプリング!!」
「はい!大炎爆破(だいえんばくは)!!」
黒怨の足元が爆発し、砂埃が舞う。