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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- やんでれ女、籠ノ鳥 ( No.2 )
- 日時: 2011/02/21 19:52
- 名前: 黒猫 ◆YtFiiqjbeo (ID: Gz/gGLCR)
きらきらと揺らめく明かりも、ひらひらと舞い散る桜も、くるくると踊る人形も、全部全部いらないから、自由をください。
そういった時のあなたの顔は滑稽でした。まる。私たちは籠に囚われたまま、逃げられることができない籠の鳥。自由なぞ無く、ただ男と遊ぶだけ。皆に蔑まれようが、気にしなかった。だって自由何て無くても楽しいんだもの! 何て素晴らしいんでしょう!
だけど、私だって逃げたくなることはあるわ! だから言ったのよ、自由を寄越せと! そうしたらね、あなたは嗤ったわ! 「自由をやるから死ね」ってね! なんて滑稽なんでしょう、あなたの表情や声音、全部全部!! ゆるく弧を描くその口元も、鋭く細められたその瞳も!
狂ってる? 自覚してるわ。それでも止まらない狂気はドウシテ? 嗚呼、私があなたをとてもとてもとてもとても愛してるからでしょう! そうね、今流行りのやんでれ、かもしれないわ! でもね、私は真似事は嫌いなの! だからだから、私なりの愛し方を見せてあげる! そうね、あなたを私と同じ籠に閉じ込めて、枷を付けてあげるわ!!
そうすればあなたは逃げられない、私とずっと一緒よ? え、嫌? 何ってるの? 反論なんて受け付けない、反抗なんて押し込めて。——どう? あなたと私でずっと一緒なのよ? 嫌なわけないわよね? だってあなたも私を愛してるんだもの! だからあなたは私を籠に閉じ込めたんでしょう? 違うの? そう、違うって言うのね。だったら——
『 一 緒 に 逝 こ う よ ? 』
そうよ、私たちは永遠に一緒の籠ノ鳥。あら、もう朝日が昇る頃? 気づかなかったわ、だって光なんて遮断されているんだもの! どうしたの? さっきまでの余裕な笑みはどこに行ったの? ねえ、ほら——
また鋭い目をして笑みを浮かべなさいよ。
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