ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 悪魔の遊園地 ( No.20 )
日時: 2011/03/23 21:47
名前: @yuna (ID: bb2N.JWt)

(10)

皐月のポニーテールがゆらゆらとゆれる。
ゲームが開始して12分が経過した。まだ犠牲者は2人。皐月もなんとかもちこたえている。

「プルルルルル」

携帯がなった。もちろん、とると落ちる可能性が高くなる。
蓮 「とらねーのか?」
皐月「とれるわけないでしょ。じゃぁ蓮君とってよ。」
冗談で言った皐月の言葉を本気にした蓮。皐月の鞄から器用な手つきで見事に携帯をとり出し、通話ボタンを押した。
皐月「もしもし…」
美加「皐月!!私、やったよ!高校のテスト赤点とらなかったよ!」
皐月「美加が赤点とらないなんて久しぶりだね。」
美加「いつも赤点とってる皐月には言われたくない言葉だね!」
電話してきたのは中学の頃の友達『美加』(7・8・9 昔〜1年前〜にも出ています)だった。
蓮 「誰だ?」
皐月「中学の頃の同級生の美加。ほらいたじゃん!柏木 美加!」
蓮 「あぁ、柏木さんか。」
美加「なになに!?誰といるの?」
皐月「蓮君☆デートだよぉー!」
美加「いいなー。」
皐月は思った。(こなければもっと幸せになれたのに…)と。


しばらく話は続いた。片手でぶらさがっている蓮に、とうとう限界が来た。手汗をかいてきて、あと5分くらいですべり落ちそうだった。
蓮 「俺、そろそろ…。」
皐月「美加?ゴメンね。もうすぐアトラクション乗れるんだ。切るね?バイバイ」
美加「おぅ!お土産期待してるよ、皐月ちゃん☆」
「ツーツーツー」
電話が切れた。蓮は携帯をすぐ鞄の中に入れて、両手でバーを持った。ずっとバーをつかんでいた左手をバーから離し、手汗をふいて、またバーにつかまった。
皐月「蓮君ゴメンね。ありがとう。」
蓮 「別にいいよ。死ぬ前に皐月の役にたてて。」
皐月「死ぬなんていわないで!!蓮君には絶対に生きてもらいたい。絶対に…。」
再び2人に沈黙がはしる。蓮は小さく「ありがとう」とつぶやいた。






「キャーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

突然悲鳴がおきる。
小さな小さな1人の少女が…



闇に落ちていった。