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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 私の手は赤い薔薇 ( No.2 )
- 日時: 2011/02/25 21:55
- 名前: ゆう (ID: pkkudMAq)
【ガラスのかけら】
パリン…
窓ガラスが割れた。
お父様が叩いただけで割れた。同時に、私のココロも割れた。
ガラスの破片が飛び散る。
その、一つが私の手に突き刺さる。でかい破片。
ツー…
手から、血が流れていく。
傷は大きく、血が流れるのも早い。
まるで、薔薇の花びらが落ちていくようだ。
私は、破片を抜かない。お父様は、破片を取る権利など無い。といっているようだからだ。
「ゆ…由良。破片を抜いてもいいわよ。ねぇ?あなた。」
お母様は言うけれど、お父様は首を横に振る。
「おまえに、傷を治す権利は無い。破片も取るな。」
「あ…あなた!?」
お父様は後ろを向いて、立ち去ろうとする。
私は、その背中に手から抜き取ったガラスを突き刺した。
「!?ゆ…ら?」
「キャア!!」
お母様は、悲鳴をあげる。
ふふ…いい気味。今まで、私を傷つけてきたお返しよ。
「由良、何をしたの!!けど、良くやったわ。」
「え…??」
なんと、お母様もお父様のことが大嫌いだったのだ。
「これからは、自由に暮らしましょう。」
「えぇ。お母様、そのつもりですわ。」
不気味に笑いあう二人。
はたして、これが本当の自由なのだろうか…??
END
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