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Re: ヴェルデュキア戦記 ( No.2 )
日時: 2011/03/13 18:44
名前: Ley ◆SAvQ/U.Sqg (ID: BL8fZ.Pl)

第一編 不明瞭な方程式 

ヴァルキュリア王国にて。

雲一つ無い青天に俺はとても満足だ。
ヴァルキュリア王国は青天など関係無く再び戦争を始め、国民の反感を買っている様だが…とても莫迦げている。
ヴァルキュリア王国の中でも数少ない野原の片隅に俺は寝転がりながら、俺は片手に持たれていたクッキーの袋を開けると、中に入っていたクッキーをほおばる。
露店で買った物だが、パサパサしていて味気が無い。 とても後悔した。
ここで少しヴァルキュリア王国の説明でもしよう。

ヴァルキュリア王国は、エエカトル大陸を代表する国家である。
人口は8700万人で、特産物はイデラムのグローブ。
戦争に長けた国であり、雇われた戦士達の数は3000万人程である。

「あー…このクッキーは美味しく無いな 買わなければ良かった。」
少し金をドブに捨てる行動を自分でもしたと後悔すると、立ち上がりあたりを見渡した。
ヴァルキュリア王国の兵士と思われる鎧を纏った勇猛な男達が、剣を持って魑魅魍魎を討伐する練習を行っている。
実際国を襲い優越感に浸るヴァルキュリアの上の考えとは見事に背かれた光景である。
まあ賞金稼ぎの俺には関係の無い事なんだが。

「ふあー………」
まだ眠気が残っているのに、野原の片隅から移動するのは得策では無かった。
自分の名前はライと言う。
小さい頃に父が死に、母はまだ俺が幼い頃にヴァルキュリア王国にへと連れて行ってくれた。
しかしその後、父の後を行き母も病で死んだ。
悲しみの果てに俺は賞金稼ぎとなり、魔物や悪人を攻撃し、その報酬を貴族からもらっている…というのが今の俺の職業風景だ。
しかし賞金稼ぎを怨む人も少なくは無い。
私怨で俺は旅中何度も襲われたり、死にかけたりもした。
今では良い思い出で、懐古するほど昔の事である。
少し考えを纏めると、後ろから爆発音が響きわたり、王国は静まり返り、俺は途端に振り返った。



「消え失せろ この貪欲貴族共が!」
待っていたのは、大剣を携えた金髪の女だった。