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Re: ヴェルデュキア戦記 参照100…突破…w ( No.23 )
日時: 2011/03/12 19:02
名前: Ley ◆SAvQ/U.Sqg (ID: BL8fZ.Pl)



竜の牙には赤黒い液体が付着していた。
俗に言う血だと思ったが…そんな事を易々と考える余裕は存在していない訳で。
見るからに暗澹な色をした竜の鱗は、

「この竜は…… ウロボロス教団が所有していると言われている魔術的生物か……!」
オスカーは全てを知っている様な口ぶりで詳細を示唆している。
ウロボロス教団。
エエカトル大陸全てに支部を存在させ、ネメシスに本部が存在している大規模教団。
魔術的生物を作り出し、人を洗脳して手中に収めたり、土地を奪ったりと…人が倦厭とする事しか基本はやらない。
そして名を聞いた者達は皆消息を絶っている……

「おいオスカー! その情報…本当なんだな!」
ライは自分の剣を竜に向けながら、顔を横にしてオスカーに喋りかける。
フレンダはその状況に屈する事無く、大剣を構えている。
気付けば周りの静けさも一段と怖さを上げ、先ほどの灼熱は何処へやら、と肌寒くなるほど気温が下がっている様だ。


「グォォォォォォッォォォオォォッァァァァァァァアア!」
耳を塞ぎたく成程の唸り声を轟かせると、竜は目を輝かせオスカーをジロリと睨む。
巨大な口からは牙を辿り異様な色をした涎がドロリと粘粘しい雰囲気をただよせる様に青臭い草に囲まれた地面にへと垂れる。
その小さな仕草が恐怖感を煽り、冷や汗をかいてしまう。

「……オスカーァァァァ!」
ライは途端に大声を出すと、オスカーが懐から短銃を取り出し構える。










乾いた音が響いた。