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Re: ヴェルデュキア戦記 参照100…突破…w ( No.25 )
日時: 2011/03/12 21:52
名前: Ley ◆SAvQ/U.Sqg (ID: BL8fZ.Pl)
参照: 未来的戦争小説の案を練っていまする



乾いた音の後に、竜は雄叫びをあげる。
思わず耳を塞ぎたくなるような、とにかく頭痛のする雄叫びを。
お次はモスキート音の如く不快音を撒き散らす。

「だ、黙れぇええああ!」
ライは耳を塞ぎながら、剣を振り回す。
一方竜はその光景をあざ笑うかの様に、舌を動かす。
オスカーの銃が放った弾丸は、見事に竜の鱗に直撃している。
直撃した部位からは赤黒い血液がドロドロと滝の様に流れていた。

「わ、私がトドメを刺すから…ッ! 援護して!」
その中を買って出たのはフレンダだった。
大剣を武器に生きてきたネメシスの使途。
場は刹那、静まり返る。

「ああ、分かった 俺の銃が火を吹くぜ!」
オスカーはその言葉と同時に銃から弾丸を次々に放つ。
竜もその弾丸を喰らい、うろたえている様だ。

「俺も行く!」
ライも黙ってはいられない。 眼下に置かれた剣を手に取り、走り出す。
竜は銃の弾丸、ライの持つ剣、そしてフレンダの大剣—————全てには反応できないので一つの絞ろうとした瞬間。



バシュッ!という何かを真っ二つにする様な音。
グシャッ!という何かを圧壊する様な音。
バン、バン!という何かを放つ様な音…!


それが同時に起きた時、竜の鱗は剥げ、鮮血は見事なまでに吹き出した。
そして竜は血に塗れながら青臭い草に囲まれた地面に倒れる。



初めて三人で得た勝利…であった。

だがその喜悦も束の間、竜の体に後光が射す。
その光に耐え切れず三人は目を瞑り、数秒した後その目を開いた。



竜が居ない。
さっきまで血を吹き出して、敗衄に倒れた竜が何処にもいない。
血すら消えており、いつもの平原に戻っている。



「これは……どういうことだ…?」
ライは訝しげな表情を隠しきれなかった。
何故なら、トリックを目の前で見たからだ。