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Re: ヴェルデュキア戦記 参照100…突破…w ( No.28 )
日時: 2011/03/16 21:32
名前: Ley ◆SAvQ/U.Sqg (ID: BL8fZ.Pl)
参照: 未来的戦争小説の案を練っていまする


テオヤオムクイ。 体には肉が無くて、全身が骨で出来た魔物である。
骨の穴周辺にうろつく魔物で、怨念がすっかり骨になった剣士の死体に憑いたとも言われている。

「所詮は骨だ! 燃やしちまえ!」
オスカーは訥弁を披露しながらも、腰に着けてあったベルトを取り外し、そのベルトに装飾されるかの様に着けてあった瓶を取り出し握る。

「火炎瓶だ! ぶん投げるぞ!」
目の前に骨の穴の入り口がある中、そこを守るかの様にテオヤオムクイは二人程剣を構えながら近づいてくる。

「やれオスカー!援護する!」
「私も援護するから、早く!」
フレンダとライは剣を携えながら、オスカーが火炎瓶を投げるタイミングを見計らいながら……

「おらぁっ!」
オスカーが大声と共に投げた火炎瓶は見事にテオヤオムクイ2人の間に落ちた。
ハルモニア平原に広がる草はその火炎瓶から放たれる火に悶え、業火を生み出す。
テオヤオムクイも骨が高熱で刺激されながら、必死に剣を振るがそれは寂寥に空を切裂くだけだ。
ゴォォォ……と耳障りな音も段々と止み、火はハルモニア平原を駆け抜ける様に風が消火を行う。


火で照らされた焦げ臭い平原は、風によって消され再び視界が宵闇にへと戻る…その瞬間、だ。
空中の巨影だろうか。 それが暗くなろうとした平原を見事なまでに真っ暗にしたのだ。
もちろん三人は驚愕しないはずが無く、武器を構え用心する。
しかし、肌寒い空気だけが気を散らし…巨影の本体は現れはしない。



仕方なく三人は肌寒い体を竦めながら、骨の穴へと足を運んだ。