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Re: ヴェルデュキア戦記 ( No.30 )
日時: 2011/03/17 20:17
名前: Ley ◆SAvQ/U.Sqg (ID: BL8fZ.Pl)
参照: 地獄の宇宙。 それは人間を圧倒する空間。




寂寥感溢れた骨の穴は見事なまでに冷えていた。
これは洞窟が骨で形成されているのか、生き物も見当たらず、中は冷風が漂っている。

「さっさと行くぞ。」
オスカーは以前焦っているのかは分からないが、手招きをして光のある方向へと案内する。
骨の穴に漂う冷風は、夜の平原で感じる風とは違い、何かが宿っている様な不思議な感じがした。
オスカーは骨の穴を通った事が数回あるそうだが、ライは未経験で、脳内で恐怖が揺曳している。
フレンダも冷や汗を手で拭いながらも、オスカーに恐る恐る着いていった。


「早く来い。 テオヤオムクイがまた来たら面倒だ …生憎火炎瓶も無いしな。」
急いでいたのはこの理由なのか?と2人は少し思考を駆け巡らせたが、案の定演繹での結論は出なかった。
何はともあれ急ぐ事に非は無いので、徐々に早くなるオスカーの足に急いで着いていく様な感じでライとフレンダは骨の穴を抜ける事にした。









「ふぅ……」
骨の穴を抜け、目の前に広がるのは広大な森林。
既に真っ暗闇の中、三人は尚前に進もうとする。

「………近くに宿があったはずだ、そこを目指そう。」
オスカーは知悉ぶりを露呈しながら、再び足を動かす。
疲労困憊など無視しながら、三人は束の間の安堵を精一杯楽しみ“宿”に急いだ。