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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ヴェルデュキア戦記 ( No.31 )
- 日時: 2011/03/19 10:52
- 名前: Ley ◆SAvQ/U.Sqg (ID: BL8fZ.Pl)
「高台か……」
少し歩くと、遠くに宿らしき場所が見えてくる。
オスカーは双眼鏡を取り出し、村の方向を凝視すると倦厭した様な顔でこう言った。
「燃えてる。 家も何もかもだ。 宿も確認できん。」
その言葉に2人は凍りついた。
このまま夜中、タシュミット国まで歩く事になれば、危険性は益々上がるばかり。
なので宿で一回泊まると考えていたのに…全てが帳消しだ…
「とりあえずそこに向かおう。 何かあるかもしれないしな…」
ライは凍りついた体を必死に動かしながらも、冷静に話す。
「仕方ないわね… あそこを降りて早く宿の所に向かいましょ。」
フレンダは落ち着いた様子で、素っ気無く言う。
しかしこの森林には昔からゴブリンが住んでいるという噂が広がっており、安易に行動するのは正しくは無い。
少し案を練ってから行動をした法が適切なのでは…とライは少し思考をめぐらせて考えた。
「ちょ、ちょっと待て! この森林には確かゴブリンが居たはずじゃ…」
ライは突然思い出した記憶に慌てながらも、必死に訥弁を話す。
静寂の中ライの声だけが反響し、木々は何処と無くざわついている様。
「だったら尚更急ぐべきだな、行くぞ。」
「早く急ぎましょ ライ。」
オスカーとフレンダは冷淡な表情を微動だにせず、宿にへと行く道を早歩きで向かった。
「なーんで俺の意見は全面無視なんだ… まぁいいや、行こう。」
ライはもう、自分の意見に責任を持てなくなったのか否。 諦めてその後を着いていった。
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