ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: アンドロイド戦争 ( No.2 )
日時: 2011/02/27 09:59
名前: 凪 (ID: M8vlMd6.)


 
  1“お買い求め有難うございます”



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テレビの中の若い女性が“アンドロイド・サラちゃん”を隣に微笑んだ。そのアンドロイドはピンク色のエプロンを着ている。肌は固く、表情は硬い。人間とは、程遠かった。

「ねぇ、ママぁ。アレほしいっ!」

ちょうど、その番組を見ていた五歳児の女の子・奈々子がテレビの中のロボットを指さしながら言った。

「申し込んでみてもいいけど…もらえるか分からないわよ?」

台所で皿洗いをしていた奈々子の母親・夏子が言った。

「うんっ。それでもいいっ!」

奈々子は、よっぽどうれしいのか、その場で跳ねた。

「奈々子、うるさい」

テ—ブルに座っていた夏子の娘・瑞姫が口を開いた。

「瑞姫、そんなこと言わない。それと、テ—ブルに座らない」

「はぁい」

瑞姫は、機嫌が悪そうな顔で、しぶしぶテ—ブルから降りた。