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Re: アンドロイド戦争 ( No.4 )
日時: 2011/07/19 14:12
名前: 凪 (ID: ObYAgmLo)

 1〝お買い求め有難うございます〟


「い、いやぁぁぁぁぁぁああ!」

「瑞姫!しっかりして!」

瑞姫の体が激しくゆすられる。

瑞姫は体を起こした。そこは廊下ではなく———ベッドの上だった。

目の前には心配そうな顔を浮かべている夏子、そして奈々子がいた。

「あれ……?」

何故、私は此処にいるの。あれは夢だったの?いくつもの疑問が残る。

「あれ、じゃないわよ。貴方、ずっと唸ってたわよ!」

夏子があきれる。

「……なんかよく分からない夢を見たのよ」

瑞姫は額に手をあてた。何か分かる、ということではないが、なんとな

くした。

「お姉ちゃん大丈夫?」

奈々子が瑞姫の顔を覗き込んだ。まだ幼い癖に余計な心配をする。

かわいいやつだ。

「大丈夫よ」

瑞姫はため息をついてから奈々子に言った。すると奈々子は、うれしそ

うに笑う。

その様子を見た夏子は欠伸をした。

「お母さん、眠たいの?」

瑞姫は首をかしげた。

「当り前じゃない。まだ午前4時よ」

「午前4時?」

「時計、見てみなさいよ」

瑞姫は夏子の言うとおり目覚まし時計を見た。本当だ。午前4時。

あれはやっぱ夢だったようだ。

「奈々子、戻るわよ」

「はーい」

奈々子は夏子の手を握ると、瑞姫の部屋から出て行った。

瑞姫は、それを見届けるとベッドから起き上がった。そして水を飲むた

めに階段を下りてリビングへ行った。






  ◆ ◆ ◆

「いっただきまーす!」

奈々子がうれしそうに朝食のトーストをかじる。瑞姫もトーストをかじ

った。トーストをかじりながらテレビの左端の時計を見た。

「!!」

家を出る時間まであと二分。それに気付いた瑞姫は口の中にトーストを

押し込んだ。そして、すぐそばにあったコップを手にとって、水で、噛み

砕いたトーストを流し込んだ。

「その水、あたしの!!」

奈々子が何かを叫んでいたのが聞こえたが、瑞姫は気にしず席を立っ

た。

玄関に向かい、カバンを手に取る。そして靴を履いた。

「瑞姫!後のスカートにほこりが付いてるわよ!」

夏子がリビングから顔を出した。

瑞姫は慌てて制服のスカートに付いたほこりをはらう。

「行ってきます」

瑞姫はドアを開けると外へと飛び出した。




  NEXT…

ごく普通の家庭ですよね。
あれ…?まだ父親が出てきていませんね。