ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: BRACK・STORYS ( No.3 )
日時: 2011/05/12 16:46
名前: A (ID: 91b.B1tZ)



 全くいい案が浮かばない。
 やはり焦りと苛立ちが原因だろうか?
 肇は手に持っているボールペンを机にコツコツあてる。そうとう苛立った時にでる、彼の癖だ。
 
「畜生……」
 
 彼が唸ったその時だ。
 隣の部屋からテレビの音が聞こえてきた。どうやらバラエティ番組らしく、陽菜の笑い声も聞こえる。
 怒りがこみ上げる。
 ボールペンの音が大きくなる。
 ついに痺れを切らし、肇は作曲室を飛びだした。

「五月蝿いなァ!静かにしてくれないかッッ!?」
 
そんな肇に陽菜は、

「いいじゃないテレビくらい。あたしの自由時間くらい頂戴よ」
「じゃあ、僕が作曲してる時くらい止めてくれよ!」
「いやよ!」
「ふざけんなッ!誰がこの家を建てたと思ってるんだ!全部僕のおかげだよなァ!」
「……ッ!」

 そんな肇に陽菜はついに根負けし、わかったわよと、怒ったように2階へ上がった。

「よし、これで安心してできる」

 だが結局この日は何も浮かばなかった。