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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 考えつくと怖い話『タイトル変更 意味がわかると怖い話』 ( No.195 )
- 日時: 2011/03/29 13:56
- 名前: 銀弧 (ID: NeUoROHL)
二十八
受験勉強で徹夜をしていて、家族も全員寝た頃
ふとコップの中の水がないことに気がつく。
それを目にした瞬間先ほどまでまったく気にしていなかった喉の渇きが
じわじわと実感をもって迫ってきた。
俺は休憩の意味も込めて水を汲みにいくことにした。
コップをもって部屋を出、リビングで並々とそそいだ水を飲む。
ひんやりと冷えた水は渇いた喉をゆっくりと潤わしていった。
ぷはっ、と息をついて満足したところで
もう一杯そそいでそれを部屋まで持っていく。
部屋の前で止まりぐいっ、とノブを回して入ろうとするが、
「あれ?」
ガチャガチャッ
開かない。いくら回しても開かない。
コップを下において思いっきり引く。
それでも開かない。
「なんだ?」
勉強しないといけないのに…。
もう一度、グッと引くと今度は呆気なくドアが開いた。
本当に一体なんだったのだろうか。
部屋には誰もいないからストレスの発散におしゃべりもできないし。
俺はイラつきながらもコップを持って部屋の中に入っていった。
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