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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 意味がわかると怖い話(お題募集中!) ( No.27 )
- 日時: 2011/03/15 15:53
- 名前: 銀弧 (ID: bZS8tN2c)
十二 お題『家』
両親が死んだことにより昔から住んでいたこの家は娘である私のものとなった。
両親の死因は交通事故。
風邪を引いた私の薬を病院にもらいに行く途中で事故にあった。
私が風邪なんか引かなければ……!
どんなに不幸を嘆いても、失われたものは二度と帰ってこない。
そんな事はわかっている。
分かっているからこそ、つらいのだ。
両親の葬式が終わって、なにもする気が起きなくてごはんも作らず暗い部屋のベットに身を放り投げる。
頭の中で楽しかった想い出を浮かべながら
私の意識は黒に塗りつぶされた。
朝、目が覚める。
ああ、もうこの家には私一人なんだ。
これから一人、生きていくんだ。
涙が、溢れた。
私はシーツに顔を押し付けると声を上げて泣いた。
それから数時間、ひとしきり泣いた。
なんだか頭がハッキリしている。
あれだけ泣いたのだ。かなりのストレス発散になったのだろう。
今日からは一人で頑張らないといけないけどもうすぐ成人になるのだ。
しっかりしなくては。
それに、この家にはまだ両親の影も残っていてとても落ち着く。
私は台所においてあった温かいご飯を食べると早速仕事探しするために家を出た。
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