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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 分かると怖い話『意味がわかると怖い話』イベント開催! ( No.340 )
- 日時: 2011/04/13 20:08
- 名前: ゆう (ID: hap96gvm)
『時計』
私の自慢は、リビングにある電波時計だ。
クラスの中で持っているのは私だけ。
電波時計は、いちいち時間を合わせなくても勝手にあわせてくれる便利物。
だから、いつ見ても正確な時間が分かるのだ。
私の部屋にもある。
友達を家に呼んで、少し自慢していた。
今日は日曜日、友達とプリクラを撮りに行く予定だ。
時間は午後一時。
私は、お昼ごはんを食べ終わってからずっと時計を見ていた。
今は十二時十分。あと五十分もある。
最初は、マンガを読んでいたけど時間が気になって読むのはやめた。
それから、私はいつしか眠ってしまったらしい。
時計を見ると一時。
ちょうど良い時間だ。私は、鏡を見て寝癖を直し、よだれの後を拭いて、
ものすごいスピードで階段を駆け下りた。
お母さんに「いってきまーす」と声をかけて家から飛び出した。
集合場所の公園に行くと誰もいなかった。
「早く来すぎたかな?」と思っていると、公園の時計が目に入った。
え?私は、時計をもう一度見た。けれども結果は一緒。
公園の短い針は、『2』という数字を指していた。
「時計、狂ってたのかなぁ〜?帰ったらあわせないと」
そう言って、私はあきらめて家に向かって帰り始めた。
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