十七山の奥深くにある宿屋に泊まった。そこは道路もなく、家さえもまばらで耳鳴りがするくらいに静かだった。一番良い部屋をとり、沈み行く日を眺めながらのんびり酒を飲んでると廊下を誰かが歩く音がした。逆にこれだけ静かであればかなりその足音でさえも大きく聞こえるのが不思議だ。しばらくして、トイレに行こうとふすまを開けると目の前では何人かの人が割れた皿を掃除しているところだった。