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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: — ア リ ス — ( No.14 )
- 日時: 2011/03/22 13:32
- 名前: 憬ネ (ID: 3ZeOyjRh)
第二章【狂った懐中時計】
+8+
私は此処から出るための出口を探した。
でも自分でもわかっていた。
ここからは出られない。
出口なんかないってわかってるような気がした。
ひたすら探し続けて何時間がたったか、私は歩き疲れ近くの横たわる大木に腰を下ろした。
するとなぜかとても温かく、まるで人肌のようだった。
座り心地も結構いい。
ぅぅ…だれだ…私にのっとる奴は…
誰!?今喋った奴は。
耳をすましても何も聞こえなかったので空耳かなとおもった瞬間
「邪魔だ!!」
「キャァ!!」
私は勢いで後ろに倒れた。
大量の枯葉で頭を打たずに済んだ。が、
「木が動いた!!」
さっきまで横たわっていた木が、今は背を伸ばして立っている。
しかも老人のような顔までついている。
「ありえないわ…木がうごくなんて…」
「木じゃない!!私は木の精だ!!」
そう言うと、木の精は自分の腕(?)で私の頭を叩いた。
「痛いっ」
「フン。お主知らん顔じゃなぁ。わしはここで森の番人をしておるんじゃ。」
「・・・」
「だからお主を此処から通すことはできない。」
「向こうには何があるの??」
「…それは恐ろしい赤の女王がおるのじゃ。来るんじゃない。どうなる事か知らんぞ。
しかも弱い女一人で行かせることはできない。」
「赤の女王って」
「もうっいいから行けよ!!昼寝がしたいんだ!!」
私は森から追い出されてしまった。
ここには信じられないものばかりだ。
うごいたり喋ったりする木やら、宙に浮く猫やら意味がわかないものばかり。
「アリス アリス ワンダーランドの救世主
今日もどこかで探してる
女王二人の運命は
フラブジャスの日 ジャバウォッキー 大きな首持ち 自由の日」
まるで子供が歌うような、いろんな言葉をバラバラに組み合わせたような歌だったが、
引きつけられる声だった。
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