ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: —  ア  リ  ス  — ( No.8 )
日時: 2011/03/19 21:19
名前: 憬ネ (ID: 3ZeOyjRh)

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静かになった。

そうだ—————私は夢から出れたのかな??

目を開けるのが怖かった。
もしも夢から抜けられてなかったら—…


くすくすっ


「!?誰」

私は勢いで目を開けてしまった。

「・・・??」

そこは見たことのない光景が広がっていた。

自分の服が大きくなってる事。
大きな人形が3匹、空中に浮いて口々に喋っている事。
そしてここにある物すべて自分の体より遥かに大きい事———…



「「アリスダ!!」」

「キャッ。何!?気持ち悪い。」

水色の体、藍色の目をした兎の人形は亜璃抄の言葉を聞いて怒りだした。

「ナンテコトヲイウ!!」
「マァイイジャナイカ トリアエズ ヨウスヲミヨウヨ。」
「ソウシヨウ。」

3匹の中で2匹が空中でフッと消えた。

「ちょっと待って!!」

継ぎはぎだらけの赤い色をした熊の人形は亜璃抄の声で振り向いた。

「ホントウノアリスナラ コノヘヤヲヌケダセルハズダ。」

そう言い残して煙のように姿を消した。

「この部屋を抜け出せるはずって…''アリス''って誰よ…」

確かにアリスは私の名前だけど、私はアリスじゃない…もう意味がわからないよ。


とりあえずこの部屋からでなきゃ早くこの『夢』から覚めないと。