ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ゛狂愛゛〜短編集〜 ( No.1 )
- 日時: 2011/03/21 15:20
- 名前: 琉已 ◆y3J4S9STM2 (ID: 7n9.prOf)
〜林檎〜
「ねぇ、アタシの事、好き??」
「…毎日毎日しつけぇよ」
私は貴方に毎日その言葉を言って愛を確認する。…それなのにね。最初の頃は笑顔で『好きだよ』って答えてくれていた貴方はもういないの??どうして私に笑い掛けてくれないの??どうして冷たい言葉しか与えてくれなの??
「ねぇ、アタシの事、好き??」
「…しつけぇっつってんだろ!!」
只、『好き』って言って欲しいだけなのに…。貴方は私に怒声を浴びせると出かける準備を始める。
「ねぇ、何処いくの??私も行くわ。」
「ついてくんなよ。会社だ会社。」
冷めた声で私にそれだけ言い放つと貴方はスーツを着て私と3ヶ月前に選んで買ったネクタイをして足早に家を出て行ってしまった。
「ねぇ、今日も遅くなるの??…それより私の事、好き??」
家を出て行ってしまった貴方を急いで追いかけて私がそう叫ぶと貴方は少し迷惑そうな顔をする。…でも良いの。それも貴方の愛情表現だって私は理解出来てるから。
「企画が終わってねぇからしばらく遅くなるっつってんだろ!!黙ってろよ!!」
そう、言い残して私の元から去っていく貴方に抱いている感情を私は抑えきれ切れる気がしないから、今から発散しようと思うの。
—————————……・・・・・・・ ・ ・ ・
『ねぇ、私の事、好き??』
これだけで良い。自分にそれだけ良い聞かせると私はメールの送信ボタンを押す。……貴方の返信が来るのを待って。
…おかしい、おかしいわ。貴方は何をしているのかしら??
……返信が来ない。…ディスプレイに貴方の名前がうつし出させるのなんて待ってられないわ。
『貴方のせいよ。私がこんな風になったのは。』
それだけ文字を打ち込んで私は画像を添付して、送信する。…私の腕には無数の傷がある。貴方に冷たくされた数だけ。貴方の気を引きたいと感じた数だけ。…そして今、またその傷が増えたわ。滴る赤い血液と生々しい傷を撮影して添付すると貴方から確実に返信が来る事を私は知っているわ。
…アレ??貴方にメェルが送れない…。
どうして??どうしてどうしてどうして????
…アレ??貴方の荷物———……。
な く な っ て ル ???
…アレ??それより貴方っテ———……
誰 かし ラ ? ? ?? ?
fin...
(*完結致しました)