ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:   遊びましょ。 / 修正版. ( No.4 )
日時: 2011/03/20 12:04
名前: 稚瑠.(*´ω`*) ◆HFiyh0WTc. (ID: 5RAlDtaS)


▼  001.



季節は、肌寒い冬にあたる。シャカシャカと落ち葉を踏んではいい匂いがする。
わたし、森川 七瀬は、親友の美月の家に居た。
美月は優しくて可愛くって、わたしが男だったら速攻告るような女のコだった。

「ねえ、七瀬。知ってる?」

美月が、妙に深刻な顔で話しかける。
目は、何かを怖がっているように見えた。

「な、何を?
 どうしたの?美月」

わたしが問うと、美月は話し始めた。

「11月の第一週金曜日、
  真っ赤なトランプがポストの中に入ってるんだって」

11月の第一週金曜日?何それ、ジェイ○ン?
ジェイ○ンは10月だ。じゃあ一体何なんだろう。
真っ赤なトランプ?それは一体何を示すのか。
わたしは美月が話す言葉に集中するように、ダランと座っていたのを正座に直し、耳を傾けた。

「真っ赤なトランプは、ハートのジャック。
  とても綺麗なトランプだけど、触るとそれは血」
「え、ちょっと?
  血って…え?」

美月が話すには、11月の第一週に、真っ赤なトランプの、ハートのジャックがポストに入ってると言う。
そしてその赤い液体のようなのは血。誰のかは知らないが、とても生温かいと言う。

「裏には普通、
 数字とハートが書いてあるわよね?」
「うん、普通はね」
「けれど、そのトランプは違うの」
「え?」

普通のトランプと違う?

「裏には、幼い字が書いてあるの。
  うーん…確か、小学生位だって」
「小学生?!
 小学生が血?!」
「あ、はっきりとはしないのよ。
  でも確か、そう言う噂を聞いたわ」

小学生が書いたように見える、血に染まったトランプ。
普通のトランプとは全く違う、言の葉が書いてあるトランプの内容は、はてさて何か。

「そのトランプ、何て書いてあるの?」
「うーん…そこまでは分かんないわ。
  トランプをもらった人もどうなるか」
「そう…って、
 今10月の28日じゃん!
  も、もうすぐじゃん!」
「うん。だから、本当かどうか分かんないけど、
   七瀬も気をつけてね」

11月の第一週金曜日。それは何を意味するのか。
それは本人と、渡された者にしか分からない——…。

「もう暗いし…何か不気味。
  わたし、帰るね」
「うん。
 バイバイ」

そうして、わたしは帰った。
悪夢が待っているとは知らずに——…。