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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 遊びましょ。【修正版.】 √イメソン募集! ( No.31 )
- 日時: 2011/03/26 10:26
- 名前: 稚瑠.(*´ω`*) ◆HFiyh0WTc. (ID: 5RAlDtaS)
▼ 008.
刻は流れ、11月の第一週木曜日。
"あの少女"が現れてから、美月は学校に来なかった。
けれど今日…"運命の日"の翌日、美月が来た。
「美月っ…!」
「あ、七瀬…」
作り笑いを七瀬に見せる。
けれど、七瀬はホッとした。
笑ってくれるだけでいい。それだけで、美月は美月。
あの時の美月は、"偽者"。
右手の手の甲の絆創膏を勢いよく剥がす。
その途端。
"いいのぉ?剥がしちゃってぇ。"
「えっ…?!」
突然声が聞こえた。
美月を見ると、聞こえてないそぶりだった。
わたしに、だけ…?!
"染胡に傷見せちゃうとぉ…
こうなっちゃうんだぁ"
その時、手の甲の傷から血が噴き出した。
血の固まりが、七瀬の目に映る。
「きゃああああああああああああああっ!!」
手を抑える。血は一向に止まる気配はない。
美月が振り返る。目を見開き、ティッシュを渡す。
「七瀬…?!どうしたの!?」
「いやあああああっ!」
七瀬の手から大量の血がこぼれる。
美月だけではなく、心も駆けつけた。
「七瀬っ…?!おい!」
"ほぉら…皆に心配かけちゃうよぉ、きゃはっ!
明日…逃げたら、その傷から血を全部抜くからねぇ?
じゃね、きゃははっ!"
「いやぁっ…。
痛い、痛いよぉ…っ」
渡されたティッシュを降り投げる。
手を貸そうとした心と美月をよけ、走る。
目的も何もない、場所へ。
学校を出る。その途端。
「…逃げちゃ、駄目ですよ?」
見覚えがある赤いリボン。
「うわあああああっ!」
そう、あの時の少女の仲間…美血と言われてただろうか。
「あら…その手の血、美しいですね…
美血、欲しいですぅ…」
「い…やぁ…」
意識が、途切れた。
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