ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ▼ 遊びましょ。√参照100突破! ( No.65 )
日時: 2011/04/03 12:52
名前: 稚瑠.(*´ω`*) ◆HFiyh0WTc. (ID: 5RAlDtaS)


▼ 001. 



「お早う絢音っ!!
 待ってよーぅ」
「お早う絢音」



風璃と祐梨が叫びながら駆けてくる
今日は晴れなのか雨なのか.
朝なのか夜なのか分からないぐらい.
黒い雲がかかって.薄暗い日だった



「お早う風璃 祐梨」



挨拶を交わして学校へと歩く
天気は悪いが.いつも通りの朝だった
季節は初夏の6月 きっと梅雨が近いから
天気が悪いんだと思う
風はそんな冷たくはないが.羽織る物がないと
風邪をひく.そんな季節だ

その時.絢音は何かに気づいた



「ん…??」



ゴミ捨て場に置かれた.可愛い人形
ボロボロに見えるが.素材は凄くいい
綺麗にしたら.きっと美しい人形になる
しかし絢音が気づいたのはそんな事じゃない


視線が.するのだ


人形から.



「…気のせい、だよね」



絢音は前を向き直し.歩き始めた
パタパタとカーディガンの音を立て.
ゴミ捨て場から遠ざかってゆく

絢音が見えなくなった束の間
人形から.声がした






置いてかないで…
わたしを拾って…
綺麗にして…





血の涙を流し喋っていた事には.
絢音もろとも.誰も気づきはしなかった


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