ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ▼ 遊びましょ。√参照100突破! ( No.73 )
日時: 2011/04/05 19:22
名前: 稚瑠.(*´ω`*) ◆HFiyh0WTc. (ID: 5RAlDtaS)


▼ 006.



「…」



人形が動き.食べると言う現実に
ついて行けない絢音.
と言うよりも.まずそれ自体信じられない.
…が.それしかない.
人形が食べ.人形が自身の思いで動いた.
そんなの.1人暮らしの絢音には相当恐ろしい
事だった.



「…寝よう」



ご飯も食べた.風呂にも入った.
もう寝る事しかやることはない.
ただ怖がってたってしょうがない.
まずは朝が来る事を待つ事にしよう.
早く朝が来ればいいのにと思うと.
朝が来るのが遅く感じる時がある.
だからなるべく深い眠りに着きたい.
寝たらもう目覚めたら朝.それを望む.

布団に入り.枕を下げる.
グイと肩にかけ.目を瞑る.

何も感じないように.何も見ないように.
だんだん意識が遠のいてゆく.
眠い…眠い….


気づけば寝ていた.


—————————————



「…はあ…良く寝たあ…」



うーんと伸びをし.布団から出る.
制服に着替え.ご飯を作るため台所へ行く.
棚を見ると.人形が座っていた.
朝になると.恐れは和らいだ.
昨日はきっと悪夢だ.そう信じよう.
目玉焼きを作りながら人形を見る.

少し笑ったように見えたのは.
気のせいだと言い聞かす.



「早く行かなきゃ.置いてかれちゃうよ」



人形に行ってきますと挨拶をし.
家を出る.
大丈夫.きっときっと.元気が出る.
風璃と祐梨.2人に会えば.





……憐れみ.
前向きはいいけど.現実を向かないと..
痛い思いする.ううん…
させるよ.




人形が喋って笑った.



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