私は犯人が憎い。なぜ、秀は殺されなければならなかったのか。なぜ、そのままにしてくれなかったのか。切断なんてしなくたっていいじゃないか。……でも、犯人と同じぐらい自分も憎い。犯人は私を狙っていたことは確かだった。それをかばって、秀は殺されたのだから。私が殺されていれば……秀は死なずにすんだのに。あの頃の私は泣くことしかできなかった。ただ……ただ泣いて、秀を想うことしかできなかった。涙は枯れることがないことを知った。