ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ニゲラ ( No.22 )
日時: 2011/04/06 21:51
名前: 葵宇宙 (ID: ezn6wPAf)


そしてまた車に乗り、山へと向かう。

この山に来るのは初めてだった。


この山で発見されたとは聞かされていたが、一度も来たことがなかった。

来ようとなんて思わなかった。


「この辺だよね。」


場所を確認して、その場で手を合わせる。

私もつられて手を合わせた。



「犯人はどこに凶器を隠したんだろう。」



そう言って辺りを見回す奏真。

5年経った今でも見つからない凶器。

犯人はまだ所持しているのか。



「俺の予想だと、犯人は凶器を持っていないと思うな。」


「どうして?」


「犯人の立場になってみて。

凶器は見つかった途端、自分を犯人だと証拠づける物になってしまう。

そんな物をいつまでも持っていると思う?」


「たしかに……。」


「そう考えると、どこかで処分したと考えられるだろ?

俺だったら……さっきここ来るときに見えた焼却炉に捨てるかな。」



「行ってみましょう。」