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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ニゲラ ( No.25 )
- 日時: 2011/04/06 22:35
- 名前: 葵宇宙 (ID: ezn6wPAf)
なぜこの場所の存在を知っているんだ。
だんだんと奏真のことが怖くなってきた。
「入ってみようか。」
奏真についていく。
ドアを開けると、キィと木が軋む音がした。
中は生ぬるい空気が漂っている。
一瞬寒気がした。
「悠希、あれ。」
指を差す。
その先にあったものは20センチから30センチぐらいの包丁であった。
奏真が小屋の中に入っていく。
胸ポケットからハンカチを取り出すと、慣れたように包丁をつかむ。
そして所持していた透明な袋に入れる。
「きっとこれが凶器でしょう。」
袋に入った包丁を見せられる。
血が付いているのが分かるが、5年も経ったので変色している。
これで……秀は……。
ふといやな考えが浮かぶ。
なぜ奏真はこの場所が分かったのか。
H市の住民しか知らないはずの場所。
私は言葉にしていなかったのに歩き出した奏真。
初めからこの場所にあることを知っていたかのように明確な指示を私に出していた。
——こんなことがわかるのは犯人くらいではないか。
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