証拠となったのは、あなたの皮膚よ。あの日……あなたが私の家に訪れたとき。ドアを無理矢理閉めようとして、あなたの手を引っかいてしまった。そのときの皮膚が爪に残っていたのに気付いて、鑑識にまわしたら、あなたの皮膚と一致した。気付いてよかったわ。「ということなんですが、弁解ありますか?」「……ありません。」「でも、私にも分からないことがあるの。あの夜……6年前、どうして私を狙ったの?私、あなたに何かしたかしら?」すると吉田は素直に供述を始めた。