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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 銀色の王女より愛を込めて ( No.11 )
- 日時: 2011/04/03 16:44
- 名前: 無慈悲なアリス (ID: cQ6yvbR6)
パアアー、という音とともに僕の守護神である竜の姿をかたどったブルーの魔法陣が現れた。
僕はスペルを唱えながら魔法陣をあやつり、ついに白と青のフラッシュとともに風が巻き起こった。
髪の毛が舞い上がり、古文書が棚から落ちそうになる。
「ラミル!!」最後の声とともにフラッシュとその風はやみ、あとには予言書だけが何事もなかったかのように開いていた。
僕はあふれる好奇心をおさえつけてページをめくった。
だがそこに書いてあったのは思いがけない言葉だった。
『ここから先、ある一人の王女の予言である。これを知ったもの、何人たりとも口外してはならない。
もし口外する者があったなら、その者は悪魔の呪いを背負うことになるだろう』
僕は意識もせずにまたページをめくった。
ヒラリと紙が音をたてる。僕は瞬間息を飲んだ。
冷たい戦慄が背筋を走る。
『我、ガブリオが死んでから約8百年後、一人の美しい王女が生まれる。その王女の名前は必ずRから始まる。その王女の母もまたRである。
王女は神々の祝福を受けた美貌をもつ少女であり、国中から崇拝されるだろう。また、多大な魔力の持ち主であり、ラファリア国史上最強の魔術師となることが予想される』
…………。
僕は目を疑った。 R……?
今の王女は僕の幼なじみでもあるリレーネだ。
そして現王妃はレナリア・ヒール。
だがなぜリレーネの予言が………??
『少女は15歳の誕生日を迎えてから、さまざまな不幸に見舞われる。それとともに国も滅びの道を辿ることになるだろう。王は殺され、王妃は自殺し、宮殿は破壊される。
作物は育たぬ、家畜は死病となる。
子供が病に倒れ、水も枯れていく……。
少女はその美しさゆえ、悲劇をもたらす』
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