ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 血の色赤ずきんちゃん ( No.3 )
日時: 2011/03/29 19:45
名前: 桜木 無羽 (ID: 3ZeOyjRh)

1話 報われない夢 



私達は、貴族の家に双子として生まれた。

小さいころから大切に育てられてきた。私は。

妹のイヴはいつも独り。
使用人も誰一人として彼女に構おうとしない。
私がイヴに近づくと、いつも親に止められてしまった。


あいつには絶対近づくな


                 呪われるぞ


        あいつには悪魔が宿っている



イヴの左目はいつも赤く光っている。
充血してないし、コンタクトでもないけど、赤く光っている。
そして、イヴに設けられた部屋は天井の物置部屋であった。

埃っぽく、何もない部屋。小さな窓からさす明るい光が、ただ一つの灯りになっていた。


「ねぇイヴ、一緒に遊ぼうよ。」

窓を見つめるイヴはゆっくりと振り向いた。

「私といると、皆に悪く言われるよ。」

振り向いたその顔はいつも笑っていた。




なんで??


         なんでいつも笑っていられるの??




みんなから貶され、追い出され、苦しまされて、でも平気な笑顔でわらっている。


誰が何をしようとも、私は妹が大好きだ。
いつでも笑顔を忘れず、言うことはちゃんと聞くし、本当に大好きだ。
あの赤い左目も————…


あんなことが起こるなんて、思いもせずに。