ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 血の色赤ずきんちゃん ( No.5 )
日時: 2011/03/29 21:52
名前: 桜木 無羽 (ID: 3ZeOyjRh)

2話  寒い朝


12月1日、突然父親が怒鳴り始めた。

何時ものように妹は避けられていたけれど、私は妹に構う暇などないほど、
傷ついていた。



『この悪魔め!!二度と目の前に現れるな!!』



父が私達を追い出すなど思ってもみなかった母親は、
父に秘密で友人の主人に私を家に泊まらせてくれるよう頼んでいた。

ただし条件は

今までの『名を捨てる事。』


『主人にはなにがあっても全てを従う事。』
      

そして、3つ目は『自らの手でイヴを殺す事』であった。


貴族の家に生まれた以上、悪魔の目を持つ妹との接触は堅く禁じられいたにもかかわらず、
イヴと接触した私は、イヴとの関係の事で世間から怪しまれていた。
イヴとの絶交を確かめる為、そこの主人はわざわざ私の手でイヴを殺させようとしているのだ。
私が妹を殺せば、引き取ってくれるらしい。


(そんな———…私にはできない。イヴを殺すなんて——…)


10歳にもならない実の妹の命をこの手で終わらせてしまう??


嫌だ。

妹は条件とは関係ないのに。

なんでイヴばっかり、辛い思いをしなければならないの??


なんでイヴばっかり。