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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強最弱 序章 ( No.2 )
- 日時: 2011/04/03 09:26
- 名前: 王水 ◆7dc6rjLZUg (ID: 8keOW9sU)
- 参照: 元蒼天の彗星です。
序章 最強と最弱
「ねえ、あんた等。道の真ん中で騒がないで、迷惑」
「んだよ、譲ちゃん。女が口出すんじゃねえよ」
漆黒の奴が呆れるようにその少女に言葉をかけると、
何かが軽く切れる音がした、多分それは誰かの堪忍袋の尾が切れる音。
少女は既に右手の拳を固めていて殴れる準備をしていた。
多分さっき堪忍袋の尾が切れたのはコイツだなと俺は確信した。
それを知らずに漆黒の奴はコイツを罵っていた。
多分コイツの怒りは爆発寸前に近いんじゃないか。
そして数秒後俺の予想通り、あいつは我を見失って切れた。
「女だからってなめるなぁぁあ!!」
「ぐはぁ」
あいつは見事なホームの回し蹴りで漆黒の奴を10メートルぐらい吹っ飛ばした。
何なんだよ、あんな力何処に潜んでいるんだ。俺はついそう思ってしまう。
漆黒の奴は結局起きる様子も無くそのまま気絶してしまったようだ。
するとその少女は俺の方を向いて呆れるように一言放つ。
「あんた…、男なのに弱いって……。あんな奴にやられちゃ駄目でしょ」
「……あんな奴…?あれはギャングですけど?それも大規模な」
「………。えぇぇぇぇええ!?あたし、ギャングに喧嘩売ったの!?」
俺は何か会話がかみ合っていないと感じていた。それもそのはず。
東京にいるはずなのに漆黒の事を知らないわけがない。
さらにこのリアクション、どうもでか過ぎる。この全ての鍵からコイツが何者か推測する。
————————田舎もんだ。多分上京してきた田舎もんだ。
それだったらこの鍵にも全て当てはまる。
実際これだけでは何者か、何でこんなに強いのかというのはわからないのだが。
ていうか俺等、凄い視線を浴びているんですけど。まず逃げましょう。
「おい、一回逃げるぞ」
「はっ?ちょ、ちょっとぉお!」
そして俺は謎の少女を引き連れて一度裏路地へと逃げ込んだ。
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