ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強最弱 ( No.4 )
- 日時: 2011/04/03 09:28
- 名前: 王水 ◆7dc6rjLZUg (ID: 8keOW9sU)
そして俺は行く宛てもなくただ東京の街を歩いていた。
まあチンピラとか言っているわけなので高校にも行く予定はない。
実は中学校も三年で不登校という事で家出をしてきた。
そして家は大体家賃が安い物件を自分の溜めていたお小遣い等で買って、
バイトをしながらお金を稼いで家賃を払っている。
いつもこんなメリハリの無い暮らしを続けていた。
「……なんか騒がしいな」
俺は偶然誰かの甲高い声が耳に入った。そして他の声もどんどん入ってくる。
俺は何があったのかが少し気になったので声のした方へ走っていった。
すると目に入ったのは黒いスカーフを身につけている漆黒の男達が屯って武器を振るっていた。
どうやら重症の怪我人も出ているらしくそこは戦場と化していた。
俺はとっさにポケットに手を突っ込んで携帯を手に取った。
そして何も考えずに110の番号をかけようとした。
————————しかし一人の男に見つかった。
俺は初め後ろから迫っているのに全く気づかず、
肩を掴まれた時に初めて気づいた。
男の握力は相当強く体を動かそうとしても、動かなかった。
さすがにこの状況はまずい。このままじゃやられちまう。
俺はそう確信した、どうすればいいんだ。そう必死に試行錯誤を繰り返す。
しかしもう遅かった、空を切るような拳は俺の後頭部へ直撃した。
————————まあ、実を言うと全くきいていないのだが。
何事も無かったように俺は軽く立ち上がる。
そして真剣な表情をし、拳を固め構える。
男はすっごい怯んでる、そんなに自信があったのか。
「あんまり自分を過大評価してっとやられるぞ」
「!?ぐわあっ!!」
俺は拳を空に走らせ真っ直ぐ男の顔面へ打ち込んだ。
案外男は脆くなかなか立たなかった。そして数分後やっと寝ながらだが話し出す。
「てめえ…、何者だ!?」
「最弱者」
その一言だけ残して俺は110番へ電話をかける。
そして事情を早く正確に伝え、現場へ来てもらった。
その結果暴れていた漆黒の団員は簡単に捕まった。
漆黒の団員は情けない面構えで俯いてパトカーに乗り込んだ。
ああ、何だかくだらない。そう思いながら家に帰宅した。
序章 完。
