ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 私と清田くんとあとひとつ【再更新かも】 ( No.38 )
- 日時: 2012/01/07 17:27
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: f0LIvz7Q)
私と清田くんと24の記憶
目を覚ました。
ここは、どこだろう。
見たこともない部屋をきょろきょろと見渡した。
生活観が溢れる部屋でピンクの物が多いのできっと私と同じ女の子の部屋なのだろう。
やはり、見覚えは無い。
誰の部屋なんだろう。
私はなんでこんなところで寝ているんだ?
ベッドから立ち上がり、部屋の窓に手をかけた。
でも窓を開いても景色は見えず隣の家の壁がすぐそこにあった。
「おはよう」
そこにいたのは、私と同じくらいの歳の子だった。
「あ、おはようございます」
挨拶されたのには返さなければいけないから頭を下げる。
「………えっと………はじめまして」
見たこともない子だったから。
初めて会ったから。
だから私はこの言葉を発した。
その時どこかが痛んだような気がしたんだ。
おかしい。
一体何処が、痛いんだろう。
痛いんだ、痛いんだ。
痛いのは、何処?
「はじめまして」
その子は優しく微笑んだ。
優しい目がなんとも心地がいい。
私がこんなに混乱しているのにその子はとても落ち着いていた。冷静だった。
まるで、慣れているかのように。
「今日はいい天気だね」
その子が何も見ないでそういうから私は身を乗り出して空を見上げて天気を確認する。
確かに空は晴れていた。
気持ちのいいほどに晴れ渡っていた。
だけど私の心はもやもやしている。
その子が笑ったのが悪いんだ。
どこかが痛い。まだ痛む。
じくじくとした、鋭い痛み。
「………そうですね」
身を引っ込めてその子に向き直る。
まだ、笑っていた。
そのとき、この家の一階から声が聞こえた。
「あ、あの人が呼んでるから」
あの人と言っても私は知らない。何となく言ってみただけだ。
とにかく私は逃げたかった。
この子から逃げたかったのだ。
そして、この痛みからも。
私が窓を閉めようとした時、その子の顔から笑顔が消えた。
「『また明日ね』」
あしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあした。
その子はすぐに笑顔に戻る。
ねぇ、ねぇ。
どうか教えて。
「………アシタって何?」
この痛みは、何?
「………君の知らない時間」
その子は最後まで笑っていた。
+ + + +
目を覚ました。
ここは、どこだろう。
見たこともない部屋をきょろきょろと見渡した。
生活観が溢れる部屋でピンクの物が多いのできっと私と同じ女の子の部屋なのだろう。
やはり、見覚えは無い。
誰の部屋なんだろう。
私はなんでこんなところで寝ているんだ?
ベッドから立ち上がり、部屋の窓に手をかけた。
でも窓を開いても景色は見えず隣の家の壁がすぐそこにあった。
「………おはよう」
「………はじめまして………?」
私の中の何かが悲鳴を上げた。
〜end〜