ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 私は死神・・・ ( No.69 )
日時: 2011/07/07 18:23
名前: 優音(元、涼野優 (ID: yvG0.ccx)

第21話 奈那乃と夜緒羅


濫は『奈那乃』様がいる、部屋に着いた
その部屋には『花月』様と『夜緒羅』様もいる

「奈那乃様、死神・濫、只今戻りました」

濫の言葉に反応して、暗かった部屋に明かりがともる


明るくなった部屋の中は本や紙だらけだ

「お帰りなさい」

本を片手に女性が濫の元に行く
ふわりとした髪をひとつに束ね、左耳につけてある幹部の<証>のピアスが目立つ

「報告書で済ませればよい、帰還報告・・・何用でココに参った?」

その女性の反対側から、いつの間にか現れた女性は濫に向かって厳しいまなざしを向ける
凛とした声と顔立ち、瞳の冷たさから、性格の鋭さが読み取れる

「夜緒羅、訳があるんですよ、きっと」
「訳?そんなもの報告書で済ませればよいではないか」

『奈那乃』様と『夜緒羅』様が濫の目の前にいる
その時点で、濫はかなりの息苦しさを覚えた
圧倒的な得体の知れない〈何か〉が二人から放たれている

「私がここに来たのは、奈那乃様に御用があったからです」
「私に・・・用?」
「願いをかなえることか?そんなもの、報告書を出せば良かろうが」
「いえ・・・」



「ターゲットの願いが今しなければならないものなのです」