ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力者レベルゼロ Liars' feasts ( No.48 )
- 日時: 2011/04/27 21:14
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
「へえ、彼女の力か。 確かに厄介だね。 だけどボクには、夢見せと夢喰いの力がある。 さあ、そんなボクには勝てるのかな? 不死身の英雄さん……?」
その言葉とともに、クロアの両脇に魔法陣が出現。 その陣は二人の人影を吐き出すと、消え去った。
吐き出された人影の片方は、明らかに異質の人間ではない人型の悪魔。 女の姿で銀髪に、紅の瞳。 背格好もクラウンと同じ程度だが、その瞳に召還陣らしき魔方陣を宿している。
もう片方は、シルクハットを被り、黒いコート姿の細身の男。 赤毛に、金の瞳が周囲を威圧する!
こいつ等、クロアより強くねえか?
「何事だ? 私を呼び出す戸は、相当切羽詰った状況だと取れるが……今ならあの男と協力して貴様を悪夢に落とせるかもしれないな。 まあ、そのリスクも高いか」
女のほうが、童子を指差し、クロアに純粋な殺意を向ける。 だが、召還魔術で召還されれば、如何なる悪魔であっても、召還術が完璧に動作する限り召還者には逆らえない。
故に、クロアの操り人形となっているのだろう。
「オウィス、貴様は一体何がしたいのだ? クロアを手放せば我々の駒が減るぞ?」
「ああ、そうだね。 テイパーは全く持って頭が良い。 けど、敵同士である私達を同時召還したクロアは一体何がしたいのかな? まあ、逆らえないから逆らう肝、仲間割れする気も無いけど」
召還された二人は、互いに相当仲が悪いと見た。
だが、クロアの操り人形と自ら述べている辺り、クロアの召還悪魔であり、クロアの命令で今は動く。
つまり、仲間割れさせても意味は無いか……。
と言うか、オウィスとテイパー……何処かで聞いたな。
「オウィスとテイパーか。 俺は黒薙童子。 ……よろしくな」
童子はその手に、巨大な剣を握り締める。
「貴様がフェネクスの言っていた天才か。 私はオウィス・ナイトメア。 地獄では夢見せオウィスと呼ばれている。 そしてこの男は、テイパー・ドリームイーター。 別名、夢喰いテイパー。 つまり私達は敵同士だ。 さっさとこの生意気な召還者を殺してくれないか、私もテイパーもこの男の気まぐれには心底うんざりしている」
「酷い言いようだね、二人とも。 ボクが死に掛けた君たち見つけて契約してなかったら、君たち今頃地獄の業火で丸焼きだよ?」
「構わん。 私は最下級悪魔とはいえ、地獄では魔王に相当する能力の持ち主だ」
クロアの反論に、オウィスは無表情で言葉を返す。
明らかに、こいつ等、シグマの悪魔憑きとはレベルが違う。
本気で戦わないと、
「殺されそうで怖いな」
童子は剣を構え、クロアとの間を詰める!