ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力者レベルゼロ Liars' feasts ( No.74 )
- 日時: 2011/05/04 14:08
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
童子が消えて二日間。 何の異変も無く、平和すぎて気味の悪い二日間が過ぎた。 いや、何も無い方がいいのだが、何も無いとそれはそれで退屈だったりまあ、色々するわけだ。
童子が不在のため、旅団の動きは止まり、これからの目的も何も告げられていなかった団員達はただただ童子の帰りを待つ以外にやることなど何も無い。
そんなこんなで、三日目の朝。
“黒薙童子、国家施設を殲滅”
そんな見出しで、新聞の一面を彼が占拠していた。
内容によれば、彼はシグマ・タイムドレイン率いる国家能力者研究施設をたった一人で壊滅させ、今も直その行方を眩ましていると言うのだ。
何だ、この男は……。 どんな能力者だ……。
だが、驚くのは早かった。
新聞であろうとも、能力者が能力を使った瞬間を写していればその能力者のレベルは判別可能だ。
そのレベルの値が、さらに常識を外れていた。
レベル……D。
レベルLよりも上の値だ、一体どうなっている?
更にその記事を読み勧めると、驚くべき内容が記されている。
“その翌日、クレイクロアの実験体を従え、国家上層部メンバーを殺害”
な……。 ここまで来ると、開いた口がふさがらなくなる。 何だ、このチートは。
以下、新聞の内容。
先日、栄皇旅団なる組織の指導者、黒薙童子は単身でクレイクロアを壊滅させた。 監視カメラに映っていた黒薙童子(一面見出し)は、罪も無い社員達を次々に惨殺し、生物兵器の資料を盗み出し、その場を後にした。
翌日、彼は国家指導者達の目の前に突如姿を現し、彼等をためらい無く刺殺した。 その横には、女の子がいたことが確認され、彼女はクレイクロアの資料にあった、ロア・ファファニールなる兵器に近いと政府は判断した。
政府によると、ここ数日のうちに黒薙童子に懸賞金をかけるとしている。
写真に映っている女は確かに、ファファニールだ。 クラウンとシェリーは、直にそれを見た。 しかし、写真に写っているファファニールの髪は、茶色ではなく銀色。 記憶とは多少の食い違いがある。 だが、その顔は彼女そのものだ。
童子が従えた? まさか……。
クラウンが新聞を驚いて凝視している最中、誰かがクラウンの背中を軽く叩く。