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Re: 憎的殺気感染注意報〜憎しみの連鎖〜 ( No.13 )
日時: 2011/03/31 22:51
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)

#3


「どちら様?」


私は、玄関で聞こえたドアを開けようとする音を聞いて、ドアに走っていった。
驚いた。
ドアの向こうには、透き通ったあの子が居るんだもの。


「————え?」


ほかの言葉は出せなかった。
あの子が首を絞めてくるのだもの。ああ、あの子、死んだのね。透き通っているし、耳鳴りがするもの。
死んでも私に恨みを持ち続けていたのかしら。
——そうよね。私はあの人を止められなかった。我が子に暴力を振るうあの人を。私も、同罪よね…。

私の意識は途絶えた。


次に見たのは、自分自身だった。
一瞬戸惑った。だって、自分自身が下にみえるのですもの。
そして、すぐに分かった。自分は死んだのだと。
ため息にならないため息をつく。

——私は怖かった。
暴力を振るうあの人が。
——私は憎かった。
あの子を産んだ自分自身が。

——私が生まれたのは何故?
——私を生んだのは誰?
母さんだ。
母さんが私を産みさえしなければ…。

憎い。憎い。憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い…。
殺シテヤリタイ。


私は母さんの家へ、飛び立った。
殺ス為ニ。