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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 憎的殺気感染注意報〜憎しみの鎖参照、返信100突破!!感謝! ( No.140 )
- 日時: 2011/04/04 13:33
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)
#15
「やめて百合亜っ!!!!」
私の叫び声が、ざわざわと騒ぐ教室に響いた。教室がいっきに重たくなったようだった。
私は、全力で叫んだ。百合亜が、3人を殺しそうだったから。
いや、実際に殺しかけたのだ。
百合亜が急に豹変して、3人に近づいたのだ。
首元に手が伸びたから。
怖かった。
目の前で人が死ぬのが。
目の前で人を殺す幽霊が。
目の前で殺そうとした百合亜が。
私の目から、雨が降った。
——急な夕立だ。土砂降りのように、とまらない。
百合亜の動きが止まった。
そして、こちらを振り返る。
『どうして…?』
私は、ただかすむ目で百合亜を見つめるだけ。
『どうして?憎いでしょう?殺しちゃいけないの?憎いのに?なんで!?』
私は、百合亜の手をとった。つもりだった。
通り抜けたのだ。
——なんでだろう。
さっきまで普通に触れられたのに。
私がそう考えているうちに、3人は居なくなっていた。
逃げたようだ。
教室はまさにパニック状態。
それもそのはず。
何もいないのに、人の声が聞こえるし、私が透明人間と話してるし、3人は死にかけたし。
『どうして…』
百合亜の目から、一滴の涙が落ちた。
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