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Re: 憎的殺気感染注意報〜憎しみの鎖〜 ( No.33 )
日時: 2011/04/01 17:05
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)

#5




私は、学校に向かっていた。
——あいつらは遅くまで学校に残っている。今は4:00ってところ。まだ教室に居るだろう。
街外れから学校までは、そう距離はない。
私が降り立ったのは、とてもじゃないけど綺麗とはいえない、普通の公立中学校。
ボロボロの門をすり抜けて、私は昇降口に向かった。

なぁんだ、すり抜けられるじゃない。
でも、面白くないから、昇降口から歩いていこう。アハハハ、驚くだろうなぁ。

私は、階段を出来る限り大きな音を立てて上った。キャッキャという、あいつらの声が聞こえている。


「百合亜のやつさぁ、飛び降り自殺だってぇ」
「えー?アハハハッ、怖くなったのかな、うけるー」
「……つまらない奴」


声からして、どれが誰だかすぐに分かるだろう。
初めは美久。次に奈々。そして零。
何故知っているのだろう…。
自問自答。えはすぐに出た。
——そうか、私が死んだのは1日前のことなのか。
1日後に目を覚ましたんだな、霊として。

私は、教室のドアを開けた。


「「え!?」」


奈々と美久の声。
そりゃあ驚くであろう。死んだはずの人間が、微笑しながら近づいてくるのだから。


「き…きゃあぁぁあぁああ!!!!」


悲鳴。
私は、美久の首を絞め、奈々の首を絞めた。
二人ともあっさりと死んだ。
最後は零。
零は、自分の死を覚悟したように、動きもわめきもしなかった。
私の手が止まる。

——駄目だ、こいつは殺せない。

何故だかは分からない。
ただ、そんな気がするのだ。手が、体が動かない。
私は舌打ちをして、窓から飛び降りた。