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＃６



アタシは霊に殺された。
嘘だと笑う人も居るかも知れない。でも、本当なんだ。
アタシは、昨日死んだはずの虐め相手に殺された。——きっと、私にうらみがあったの。
私を殺さないと成仏できないとか、そういう理由でしょう。
だって、私はあいつを虐めてたんだもの。
私だって、悪かったと思っている。嘘じゃない。兄ちゃんに暴力を振るわれて、学校でそれを隠すのがつらくなって。
自分を止められなかった。
次第に、虐めがエスカレートしていって…。
止めてほしかった。
先生でも何でもいい。私を止めてほしかった。だけど、教師は真面目に向き合ってくれない。
アイツと同じ位つらかった。

だって、自分の幼馴染をこの手で傷つけるんだよ？
クラスの皆はアタシと百合亜の関係を知らない。
辛かった。苦しかった。
クラスメイトからは冷たい目で見られるし、奈々は乗ってくるし。
百合亜の言葉が、こびりついて離れない。


『お願い、やめて、美久……!!!』


アタシはそれでもとまらなかった。
——誰のせい？

アタシが百合亜を虐めたのは誰のせい？
アタシがとまらなかったのは誰のせい？

——兄ちゃんだ。
アタシに暴力を振るう、あの兄ちゃんだ。

憎い。憎い。憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い。
死ねばいい。死ねばいいのに。
アタシと百合亜を傷つけた代償、払ってよ。
消えろ。
自ラ消エヌノナラ、コノアタシカラ殺シニ行ッテクレルワ。



『アハハハハハハハハハハ…』



アタシの狂った笑い声が木霊した。
さぁて、殺しに行きますか？