ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 双子の能力者〜タイトル、オリキャラ募集中 ( No.16 )
日時: 2011/07/29 20:27
名前: 聖夜 (ID: 9s07GxNq)

第三話 阻止


阻止する・・・

といってもどうすればいい?

もうすでにHOPEの挨拶が終わりかかっている

もともと15の俺にスナイパーを持った男に勝てるだろうか?

俺は男がいたビルのエレベーターに乗っていた

屋上に着く

男は?

ビルを間違えたか?

ステージを見ると映像とはまるで違う所にいた。

くそーー!!

これほどまでに自分の方向オンチを恨んだことはなかった。

どのビルだ!!

他のビルの屋上に目をやる

いない・・・

どーなってんだ?

相変わらず黒い蝶は飛び回ってる

「どしたのか?」

周りを見るが誰もいない

「こっちね下なのね」

足元を見る

黒い子猫が俺を見上げてる

「何悩んでる」

不自然な言葉で話す黒猫の目は赤かった・・・

不気味な目に一瞬ビクッとしてしまう

「鉄砲を持ってる男知ってる?」

「危ないよかかわるダメね」

「女の子を助けたいんだ教えてくれ」

「好きな女か!?しかたない今度かつおぶしおくれよ」

別に好きじゃないが・・・

「あのビルねタンクの後ろよ」

黒猫は手すりに飛び乗るとしっぽで一つのビルを示した

「さっさと行くある!!」

俺の肩に飛び乗ると言った

「お前もくるのか?」

黒猫に言う

「かつおぶしもらうまではなれないね」

言い合ってる場合じゃないな

俺は猫に教えてもらったビルに走った

急に騒がしくなり音楽が始まったことがわかった

「やばい!!」

俺はそういうとビルに飛び込んだ

「いい女が一人いるねソイツか?」

猫はのんきにそういってる

エレベーターのボタンを押す・・・

来るのが遅い!!

俺は非常階段を使い34階のビルの屋上に着いた

扉を開けてタンクの後ろに走る

間に合え!!

男はいた手すりに寄りかかっている

男はスコープを除きこんで引き金に指をかけていた

俺はスナイパーを蹴りとばした

「なにしやがる!!」

男は手を俺に向けた

手に生えてた爪が10センチ位伸びて先がとがる

その切っ先を俺ののど元に向ける

爪が俺に迫ってくる

「やめろーーーーー」

俺は手を前につきだした

赤い閃光が手から飛出し男を直撃する

男は3メートルほど後ろにぶっ飛んで気を失った

おおぉ

これも・・・力・・・

「なんだぁさっきカッコいい!!」

黒猫が裏返った声で言った

「知らん・・・」

男は爪を伸ばした・・・

あれも・・・力なのか

もしかしたら人間ってみんな力持ってるのか?

「アイツ縛るいいね」

猫が俺に言う

「おうぅ・・・」

周りを見渡すと工事してる所で見るような黄色と黒のロープが束ねてあった

人を縛ったことなんてない・・・

ましてや爪を伸ばしてナイフにできる男だしな

俺は足を縛り膝を曲げさせた次に親指を握らせ爪を延ばせば手に食い込むようにする

手を開くことができないようにぐるぐるにした・・・

そして足と手を背中で組ませて一緒に縛った

映画で見た縛り方だ

我ながらうまくできた。

座りこんで終わりかけのHOPEの歌を聴く

「帰ろうか・・・」

俺は猫の頭を撫でた

「うん・・・」

猫は気持ちよさそうに言うと俺の膝の上に乗って体をこすりつけた




その様子を見ていた少年がいた

「力に目覚めてきたか・・・面白くなるな」

少年はコンサートの方を見た

「俺もグッズを買いたいのでね」

少年は姿をおっさんに変えて猫と会話する少年に背を向けた

「それと俺が好きなメンバーは楓なんかじゃない愛理だぜ兄貴」

そう言い残して霧のように姿を消した・・・