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戦いⅡ



パチン！！



いてぇ！！右の頬に激痛が走る

よく分からないけど後頭部がものすごく痛い

頭がクラクラして上の下も横もなんかよく分からん

「お兄ちゃん！！起きて！！」

お兄ちゃん？俺に妹はいない・・・

重たい目を開けてお兄ちゃんと呼んできた人物を見る

「あぁ？」

うつ伏せに倒れている俺を除きこむ形で険しい顔をした怜紅がいた

「お前か・・・俺もお前もなんでここにいるんだ？」

ええぇと・・・迷子になっててレストランに行ってそれから？

それからここに寝てた。

あれ？おかしいなぁレストランの中からなんで道端に移動するんだ？

「お兄ちゃん！！みんな戦ってるよ」

戦い？状態を起こして周りを見る

学生服を着た人が３人ほど倒れてるだけだ

カイルが手に黒い煙みたいな物を巻き付け戦っている

黒い闇とでも呼ぼう。そっちの方がかっこいいしな

カイルの操る闇が学ランの男に巻き付いた

「あぁぁぁあ！！」

闇で黒く染められた男が叫び声を上げる

断末魔の叫びだろうか？

映画などで聞く叫びと違ってリアルで背骨に響いて気持ち悪い

海藤さんが鉄砲に似た武器をもう一人の学ラン男に向かって発砲した

鉄砲は学ラン男の首筋にあたっている

注射器だ！！弾丸のかわりに注射器が発射されている！！

打たれた男は注射器の薬品のせいか倒れた

俺も戦わないと！！

やつらはアーチファクトだ

なぜ学ランかは知らんがな・・・

紅い閃光！！

俺は手を学ランの一人に向けた

手からは紅い光がうねりながらでて男の顔面に直撃した

やった♪

男は変なうめき声を上げて倒れた

「飛翔！！後ろだ！！」

カイルがこちらを見て叫ぶ

「後ろ？」

「はぅっ」

怜紅の声が後ろから聞こえる

後ろには３０人の人だかりができていて怜紅を片手で持ち上げているひょろひょろの男がいる・・・

怪力か？俺と同い年くらいの女の子をほっそい腕で軽々と持ち上げるなんて・・・

こいつら！！全員アーチファクトか

「おりゃ！！」

紅い光を手前にいるおっさんに打ち込む

おっさんは倒れててもその後ろから飛びついてくるおじいさんがいる

また光をあてる・・・

おじいさんが倒れても怜紅を持ち上げている男はアーチファクトの壁をかき分け奥にすすんでいく

くそ！！怜紅が誘拐されちまう！！

光をやみくもに出しまくる

くそぅ！！くそぉ！！くそぁ！！

もう何にも考えられない

目の前に立ちはだかるアーチファクトを倒すだけ！！

「飛翔！！周りを見ろぉ！！」

はっ！！海藤さんの低くてよく通る声が聞こえた

周りを見ると俺は完全に敵に囲まれている

しまったぁ！！

一瞬攻撃の手をゆるめたスキをつかれた

赤い腕が俺の腹に食い込む・・・学校の喧嘩でやられた拳と全然威力が違う

胃がひっくりへこんだような感触がして気が遠くなる

「へっこの前の借りは返したぜ」

俺に強烈なパンチを繰り出したヤツの声を聞きながら

本日二度目の気絶をしてしまった。